静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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 ❝ 浜松・夢双庵 ❞ の西面外装工事が完了しました。



 
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 この西面に採用した外装材は、塗装ガルバリウム鋼板の角波スパンドレルというもので、
 正面から釘やビスを見せずに張ることが出来るため、耐久性に優れています。
 隣家が迫っていることもあり、頻繁にメンテナンスをすることが無いよう、穴あき25年・
 塗膜15年保証と遮熱・耐汚染機能が付いた高耐久製品を採用しました。
 もうひとつの理由は、この面が西面であるということです。
 それは・・・このまま説明を続けてもいいのですが、外装材の話に逸れてしまいそうなので、
 ここから本題に入ります。

 写真中央に見える窓をご覧ください。
 窓の上と左に板材がカバーされていますね。
 もう少し近づいて見てみましょう。



 
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 やはり、窓の上と左に巾広の板が取り付いています。
 ちなみに、この窓は横軸回転(正確には軸が移動しながら窓の下側から開いていって、窓が
 水平になったら止まる)の滑り出しなので、多くの場合は板が設置されていません。
 コストやデザインによる理由が大きいかと思われますが、果たしてそれでいいのでしょうか?

 家は外観デザインを整えつつ、住まうことに対応しなければ意味がありません。
 さらに言うのなら、あらゆる環境に対応できる窓でありたいと、常々考えています。
 前の写真をご覧いただければお分かりのように、この窓と上の屋根には相当の距離があります。
 2階の窓なので、少し開けたまま外出してしまい、帰宅したら不意の雨が降り込んでいた、と
 いうことも考えられなくはありませんね。そう、答えは雨除け(霧除け)のためでした。

 もうひとつの左側の板は何でしょう?
 それは、西面に答えがあります。
 周囲の状況にもよりますが、何と言っても夏期の西日対策です。
 ご承知のように、夏の西日は緩い角度で北西方向から射し込んできます。
 答えはそれを防ぐためなのですが、実はそれだけではありません。
 浜松特有の季節風(南~南西の風)をこの板で受けとめ、風を室内に導くためです。




 
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 この家は、2013年に竣工した ❝ 磐田・直庵 ❞ です。
 少し分かりにくいかもしれませんが、2階の窓には同じく上には庇が、左には壁が付いています。
 詳細をお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。


 



 
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 ❝ 浜松・夢双庵 ❞ に取り付いているもうひとつの庇です。
 こちらは縦長の窓で、同じく滑り出しなのですが、縦軸回転(軸が移動しながら窓の手前側から
 開いていって、窓が90度になったら止まる)になります。
 つまり、窓を開ければそれが風を受けとめるため、上の雨除け用庇だけで十分なのです。
 



 
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 この家は、2016年に竣工した ❝ HAMAMATSU・AKANE HOUSE ❞ です。
 同じように、右手の西面2階窓上には庇が付き、窓を開けて風を呼び込んでいます。
 よろしければ、こちらもご覧ください。


 


 日本は今、酷暑・豪雨・極寒などの異常気象に見舞われています。
 こうした状況を乗り切るためには、庇ひとつもおろそかに出来ません。
 想定できるシチュエーションに対応可能な設計を心掛けることは、とても大切です。
 各地の気候を踏まえ、自然に逆らわない家づくりを進めていきたいと思います。


 



 
 

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by mura-toku | 2018-03-20 15:45 | 建築 | Comments(0)

 ガレージ付き平屋建て住宅 ❝ FUKUROI・FOREST HOUSE ❞ には、大きな軒下があります。


 
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 南東側からの外観です。
 手前に4本柱が立っている奥のスペースは雨が降り込まず、外で何かをしたい時には役立ちます。
 例えば、こどもと水遊びをしたり、ハンモックを吊るしてぼんやり過ごすことも出来るでしょう。


 


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 近づいてみると、大きなスペースであることがよく分かります。
 ちなみに、右側のブルーシートのところが窓になり、柱まで1.8mの距離があります。
 完成時には木製のデッキが設けられ、より広く感じられることでしょう。


 


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 屋内から見たところです。
 シンプルな架構に大きな窓が開けられています。
 この窓はフルオープンの木製建具が嵌められ、室内外が一体になるデザインとしました。
 さらに、その外側には直接出られる木製デッキが連続するので、気持ちいい空間が広がります。

 最近の異常気象による集中豪雨を避けるためにも、大きな軒下を見つめ直してみたいものです。
 家の耐久性は雨の多い日本の気候を踏まえ、屋根の架け方を工夫すべきではないでしょうか?
 もう一度、家を長いスパンで考え、ダメージの少ない設計を心掛けるべきだと思います。



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by mura-toku | 2018-03-14 16:39 | 建築 | Comments(0)