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[ 2018-03 -28 17:38 ]
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❝ 浜松・夢双庵 ❞ の玄関が形になってきました。
玄関入口から見た感じです。
手前の天井は低く抑え、奥の天井を上げてみました。
グレーの穴開きボードの面は砂漆喰塗りになりますので、明るい仕上がりになります。
つまり、天井の低い部分は壁と同化するため存在感がなくなり、奥の天井に視線が運ばれるよう
考えました。そこで、まずは奥の天井を見てみましょう。
天井板は屋久杉の無垢板、それに取り合う細い木材は吉野杉の赤柾材です。
最近の住宅ではほとんど見られなくなりましたが、無垢の天井板を貼ってみました。
うっすらとラインが入っていることと、板と板が重なっているところが無垢の証です。
写真では判別が付きませんが、とてもいい仕事をしてもらいました。
なかなか実物をご覧いただける機会が少ないので、完成時にご覧いただきたいと思います。
靴を脱いで最初に足で踏む材(式台)は、栗を選択しました。
建主の要望を踏まえながら、材のバランスを見て、小ぶりのナグリを施しています。
これは塗装前の状態ですが、こちらもいい感じに仕上がりました。
足に触れた瞬間、心地良さが伝わり、視線の先には屋久杉の天井が広がります。
もうひとつの注目点は、先ほどの式台と同じ栗材を下足入れの天板に使用していることです。
流れるようなひとつながりの木目模様は、一目見て無垢であることが分かります。
最初の玄関全景カットで、左側に写っている腰高のカウンターがこの材です。
左奥の窓の手前に障子戸を入れ込むため、天板に溝を掘り込みました。
今回は玄関を紹介しましたが、土足から床へ上がる高さの変化や、限られたスペースゆえの間近で
見られることに耐えられる設計をしなければなりません。
それには計算された空間設計はもちろんのこと、使用する材まで気を配りたいものです。
そして、その選択はひとつの材(今回は栗のナグリ)によるところが大きいと言えます。
様々な人が出入りする玄関は、設計者にとって最も緊張する場であり、材を見て欲しい場でもある
ことを付け加えておきたいと思います。国産の栗と屋久杉、吉野杉の選択。必見の価値ありです!
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by mura-toku
| 2018-03-28 17:38
| 建築
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