静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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 静岡県袋井市内で建築中だった「FUKUROI・FOREST HOUSE」が、間もなく完成します。

 先日、外部仕上が完了し、足場が外されました。



 
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 道路からの進入路を上がると、インナーガレージ付の平屋建ての家が見えてきます。

 正面奥の森に対して、手を広げるかのような形態で全体のデザインを考えました。

 それはつまり、住宅とガレージをL型に配置するのではなく、への字型に配置することにより、

 優しく迎え入れつつ車の出入りをし易いようにするためです。

 工事の難易度は多少上がりますが、このちょっとしたことが家の良し悪しの決め手となります。



 
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 森の方に回り、南側から家の正面を見たところです。

 間口の広い形状に平屋建て特有の大らかな屋根が架けられ、伸びやかな表情の外観です。

 屋根の頂部には硝子付きの集熱板が載っていて、ソーラーシステムを搭載しています。

 ソーラーといっても、太陽光発電や給湯システムではなく、冬は太陽の熱により暖められた屋根

 下の空気を床下に送風して床を暖めたり、夏は室内の空気を強制的に排気したり、季節を問わず

 室内空気を循環したりできる多機能のシステムなのです。

 この季節、特に今年の夏は猛暑が続いていますが、このシステムのおかげで室内は空気が淀んで

 おらず、案外さらっとした感じを受けるから不思議です。



 
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 南側の屋根下に設けているインナーデッキになるところです。

 実際のウッドデッキはこれからですが、ブルーシートで覆われた面がデッキへ出られる開口部で

 雨の影響を受けにくい大きなアウトドアリビングとして活用されることでしょう。

 また、これだけ深い軒を出すことで、太陽の熱気を室内へ侵入させないことに繋がってもいます。



 
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 屋根の下には大きなリビングダイニングが設けられています。

 平屋建ての特長を最大限に活かした勾配天井と、天窓が印象的です。

 家の骨格を表す木組みを見せ、無垢のフローリング(今は養生しています)に砂漆喰塗りの壁、

 天井には簡素なラワン合板を選択しました。

 天窓は、雨が降ってきたらセンサーにより自動的に締まる装置が搭載された、電動開閉式です。



 
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 この家で唯一の畳の間です。

 南側の森を眺めながら、のんびり寛ぐために設けられました。

 天井の杉板とガラス窓の外に見える軒天(屋根下)が、外へと誘ってくれているようです。

 

 今月中旬の引渡しに向けて、工事は急ピッチで進められいます。

 大らかな佇まいの平屋建ての家は、周辺環境にさりげなく溶け込んでいくことでしょう。

 

# by mura-toku | 2018-08-03 14:40 | 建築 | Comments(0)

 先日開催した「浜松・夢双庵」のオープンハウス。

 台風12号の接近による影響が心配されましたが、さほどの影響はなく無事に終了しました。

 完全予約制ということで、来場いただいた皆様は時間の許す限り、じっくりとご覧いただきました。



 
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 当日限定で、地元の家具屋さん(無垢材専門のデザイン家具を取り扱っている)が置き家具を

 展示していただいたので、リアルな暮らしぶりが伝わったように思います。

 2階リビングの先にはダイニングがちらっと見えていて、空間が繋がっているのが分かります。

 窓の内側にはカーテンやブラインド・スクリーンではなく、障子をセットしました。

 その理由は、和風に仕立てたいというよりも、自然光の拡散による明るさと断熱性能の向上や

 和紙による調湿効果を図りたかったことによります。



 
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 窓の内障子を開けた状態で、リビングからダイニングを見たところです。

 障子を開けただけで、リビングとダイニングの関係がぐっと近づきますね。

 右手正面のローボードの上にはTVが置かれ、左手方向には屋根付きのバルコニーが広がります。

 家具を置くだけで、楽しんだり、寛いだりする光景が、目に浮かぶようです。



 
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 ダイニングから正面のバルコニー、左奥のリビングを見たところです。

 全ての窓が壁の中に仕舞えるので、開口部が美しく見えます。

 それによって外界が近づき、内と外の境界が曖昧になるような不思議な感覚を味わえるのです。

 来場された皆さまは、ここのテーブルで景色を眺めながら居心地が良いのか、長居をしていました。



 
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 ダイニングから左奥のキッチンと右奥のリビングを見たところです。

 それぞれの空間がどう繋がっているのか、お分かりいただけるかと思います。

 よく見ると、天井の構成や仕上げが異なっています。

 そこに立っているのか?それとも座っているのか?だったり、そこで作業をしているのか?

 それとも寛いでいるのか?の違いを定め、それぞれの天井を慎重にデザインしていきます。



 
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 キッチンからダイニングを見たところです。

 アイランドキッチンと右側の背面収納家具は、木質感を基調にしたデザインで取り纏めました。

 左側の壁は大谷石、右側の壁は手作り感が残るタイルを貼っています。

 キッチンの前方にダイニングテーブル、その先にはフルオープンの窓が広がります。



 
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 内障子を閉めると、三方が囲われ、アルコーブ感が強くなります。

 板貼りによる勾配天井と、床・障子の桟・天井の全てを縦のラインにすることで、より求心力が

 高まり、自然にここへと足を運んで食事をしたい気持ちになることでしょう。

 

 住まい手の要望をお聞きし、その家族にあった生活が送れることを少しでもサポートするのが、
 
 建築に携わるプロとしての役割です。

 そして、住まい手にとって使いやすかったり、丈夫に造ったり、省エネを追及したりするのが、

 建築設計者としての役割でもあります。

 さらに、住まい手が期待されていた以上の居心地の良さだったり、緻密に計算された無駄のない

 空間だったり、手足が触れる箇所へのさりげない配慮だったり、質感を損ねないようにコストを

 コントロールしたり、遊び心をくすぐるようなデザインだったりを一生懸命考えて提供するのが、

 私たち建築家の責務なのです。

 今でも、数十年前に設計をした住まい手からメンテナンスの相談を受けることがあります。

 家は住み始めてから真価が問われますので、長いお付き合いが出来るよう考えたいものです。

 

# by mura-toku | 2018-07-31 17:50 | 建築 | Comments(0)

 「浜松・夢双庵」のオープンハウスが間近に迫ってきました。

 気になる現場の最新情報をお伝えしたいと思います。



 
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 敷地へのアプローチから見上げた全景です。

 アプローチの左側には、家のデザインに合わせて木格子のフェンスを連続させています。

 並行して、家の手前には植栽工事も進行中です。




 
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 思わず外へ出たくなるインナーバルコニーです。

 高木の山法師がより外へと誘ってくれています。

 外は猛暑なのに、不思議とこの空間には風が吹き抜けます。




 
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 左手のインナーバルコニーと繋がっているのは、ダイニングです。

 2つの開口部はどちらもフルオープンで、外界がより身近に感じられます。




 
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 一転して、リビングに続いている畳の間です。

 4畳半ながら、リビングとの間に設けた大襖を開けると狭さを感じません。

 既製感覚に捉われない草の和室を、是非ご堪能ください。




 
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 一日の疲れを癒すために造られた浴室です。

 床・腰・壁天井には適材適所の材を選択しました。

 私が知りうる最強の浴室材料を用いているので、メンテナンスも容易かと思われます。




 
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 アイランドキッチンから右奥に繋がっているのがダイニングです。

 オリジナルキッチンも必見ですが、左手に少し見えている大谷石は見応え十分ですね。

 白く見えている垂直の丸柱の正体は、実物をご覧いただいてのお楽しみに取っておきましょう!



 今回のオープンハウスは完全予約制となっていますので、こちらの注意事項をお読みください。

 皆様のご参加をお待ちしております。


 

 

# by mura-toku | 2018-07-25 18:46 | イベント | Comments(0)

 昨年から工事を進めてきました " 浜松・夢双庵 " が、竣工の運びになりました。

 建主のご好意により、特別にオープンハウスを開催することになりましたので、

 現状の報告と合わせてご紹介させていただきます。



 
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 正面のアプローチから見上げた外観です。

 現場が進行しているため完成形ではありませんが、一部の植栽がされて家らしくなってきました。



 
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 南側から見た正面の外観です。

 2階リビングの大きな窓から眺められるよう、山法師が植えられました。



 
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 2階リビングの大開口をフルオープンにした状態です。

 全ての窓を壁の中に収納しているため、外と内が一体になっています。

 窓の向う側には雨に濡れないインナーバルコニーが広がり、思わず外へ足を運びたくなります。


 
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 窓の内側にはカーテンやブラインドではなく、障子を入れました。

 障子を閉めただけで、空間が引き締まる感じがしますね。

 写真では分かりにくいのですが、障子紙が自然光を拡散させ、柔らかい印象に変化しました。



 
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 写真手前がダイニング、奥がリビングです。

 先ほどのインナーバルコニーは右側にあるので、L型の開口が全開になった状態です。

 室内空間はくびれていますが、バルコニーと繋がることで随分と印象が変わります。




 
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 奥のダイニングと繋がっているのが、手前のキッチンです。

 オリジナルのアイランドキッチンは、ステンレスカウンターに木製建具を組み込みました。

 床は稀少材のラオス松、左手の壁は大谷石、天井は砂漆喰塗りと拘りの仕上となっています。



 オープンハウスは7月28日(土)、29日(日)に開催します。

 詳細については、こちらをご覧ください。




# by mura-toku | 2018-07-17 18:54 | イベント | Comments(0)

 ❝ 浜松・夢双庵 ❞ の工事が終盤に入ってきました。

 大工工事がほぼ完了し、各職方による仕上げが進められています。

 まずは、そのワンカットをご紹介!


 
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 2階のリビングからインナーバルコニーを見たところです。
 正面から右側へと直角に折れる窓の建具は全て壁の中に引き込まれることにより、空間が内と
 外を完全に一体化することができました。
 正面奥のインナーバルコニーは、より屋外へと誘う仕掛けとして設けています。
 壁と天井は生成り色の砂漆喰塗り。吹抜空間を明るく広く見えるように考え、選択しました。



 
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 先ほどのリビングに隣接する和室です。
 床には畳が敷かれ、正面左側には押入用の戸襖と正面の窓には障子戸が入る予定です。
 壁はリビングと同じ砂漆喰塗りですが、注目していただきたいのは天井の仕上材。
 薩摩葦を全面に貼り、埋込照明をスリット状に設けてみました。
 最近あまり見られなくなった材料ですが、直線や平面で構成される空間を優しくそして柔らかく
 包み込むような印象を与えてくれています。
 自然光が天井に当たってもそのほとんどを吸収してしまう、魅力的な仕上げと言えるでしょう。



 
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 上の写真は薩摩葦(左から2つめ)をはじめ、他にも使用される和風の面材を見たところです。
 色合いや風合いを吟味した結果、今回は薩摩葦を採用しました。
 下の写真は、その材を拡大したものです。
 よく見ると、色や太さに違いがあるのがお分かりでしょうか。
 それでも遠目で見て水平ラインが保てるよう、職人は材を1本づつ見極めながら選別し、慎重に
 畳1帖大の大きさの面材をつくるのですから、これぞ職人ならではの仕事なのでしょうね。

 和室を設けない家が多くなったと、よく耳にします。
 限られた条件の中では仕方がないことなのかもしれませんが、少し寂しい気持ちになります。
 それは、季節の行事や親戚縁者の宿泊に使用しなくなったから必要ないのかもしれません。
 ただ、日常の暮らしにおいて、ごろっと横になったり、子供と遊んだり、洗濯物をたたんだり、
 冬には炬燵を出して鍋を囲んだり等々、わずかなスペースでもあって欲しいものだと思います。
 そこには、椅子やソファではなく、床に座ることの安心感=視線を下げる場が生まれます。
 床座で得られる限りない魅力を考え直してみるのも、大切なのではないでしょうか。


 

# by mura-toku | 2018-06-04 15:00 | 建築 | Comments(0)