静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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 ガレージ付き平屋建て住宅 ❝ FUKUROI・FOREST HOUSE ❞ には、大きな軒下があります。


 
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 南東側からの外観です。
 手前に4本柱が立っている奥のスペースは雨が降り込まず、外で何かをしたい時には役立ちます。
 例えば、こどもと水遊びをしたり、ハンモックを吊るしてぼんやり過ごすことも出来るでしょう。


 


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 近づいてみると、大きなスペースであることがよく分かります。
 ちなみに、右側のブルーシートのところが窓になり、柱まで1.8mの距離があります。
 完成時には木製のデッキが設けられ、より広く感じられることでしょう。


 


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 屋内から見たところです。
 シンプルな架構に大きな窓が開けられています。
 この窓はフルオープンの木製建具が嵌められ、室内外が一体になるデザインとしました。
 さらに、その外側には直接出られる木製デッキが連続するので、気持ちいい空間が広がります。

 最近の異常気象による集中豪雨を避けるためにも、大きな軒下を見つめ直してみたいものです。
 家の耐久性は雨の多い日本の気候を踏まえ、屋根の架け方を工夫すべきではないでしょうか?
 もう一度、家を長いスパンで考え、ダメージの少ない設計を心掛けるべきだと思います。



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# by mura-toku | 2018-03-14 16:39 | 建築 | Comments(0)

 (公社)日本建築家協会東海支部静岡地域会(JIA静岡)主催による、第2回建築ウォッチングが
 2月9日に開催されました。最初の見学先は、静岡県森町にある友田家住宅(国指定重要文化財)。


 
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 当日は、静岡県の内外から一般、建築関係、行政の方々、合わせて約50名が参加されました。
 快晴のもと、森町教育委員会から配布された資料に基づき、経緯を踏まえた詳しいお話を拝聴。
 現存する母屋は300余年を経ていますが、昭和58年に半解体修理による復元工事、平成23・
 24年に屋根の葺き替えと耐震改修工事が行われたこともあり、美しい佇まいを残しています。


 
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 茅葺屋根で覆われた屋内は、赤松や栗が多用され、骨太でリズミカルな軸組みが特徴的です。
 なかでも、柱は一間(1.82m)ごとに建っていて、通常よりも太めのサイズになっていました。
 これは「柱に掛かる梁からの軸力を直接受けているため、柱が座屈しないようにしている」と、
 同行された構造家の山辺氏が語った言葉に、参加者一同が納得した表情を浮かべていました。
 十分に見学時間を充てたつもりがタイムアップとなり、渋々次の場所へと移動していった先は、


 
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 同じ森町にある複合型体験施設の「アクティ森」。
 陶芸や草木染め等の創作やアウトドア体験、地場産品の販売所やレストランが併設されています。
 ここでは昼食を取るために立ち寄ったため、一行はレストランへ直行。
 時間と人数の関係上、予め決められたメニューの中から私が選んだのは、


 
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 一番人気の「大井川ダムカレー」。
 地場産の食材を使用し、少し辛口の大人のカレーに仕上がっていました。
 スプーンがスコップをかたどっていて、遊び心を感じさせる演出に思わず笑みが・・。
 食事を済ませた後は、僅かな時間を利用してのショッピングを楽しんでいただきました。
 次は、本日のメインイベント会場である「掛川市森林組合新事務所」へと向かいます。


 
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 会場入りする前に、新事務所をバックに参加者の皆様との記念撮影。  
 残念ながら、会場設営に専念していただいたJIA静岡のメンバーは写っていませんが、それでも
 写真に納まりきらないくらい、大勢の皆様にご参加いただきました。
 ちなみに写真中央の長身の男性が、今回講演をしていただいた構造家の山辺氏です。
 
 と、これから先は私も投稿させていただいている「住まいネットマガジン びお」の編集の方が
 詳しく記事を掲載していますので、下記をご覧ください。


 


 また、以前のブログで紹介した記事も、よろしければ併せてご覧ください。


 



 

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# by mura-toku | 2018-03-09 14:15 | イベント | Comments(0)

 現場が進行する中、室内で一番天井が高いリビングの下塗りが完了しました。



 
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 目を凝らして見ないと分かりませんが、斜めの天井全面に塗られています。
 ちなみに、左官材を塗る前は右手の穴開きボード(ラスボードという)が貼られていました。
 ラスボードを使用した理由は、左官材の密着を良くすることと、仕上げの精度を高めるために
 下地を平滑にしたかったからです。
 最近は、コスト削減と時間短縮が主流となり、このように手間を掛けることが少なくなりました。
 参考までに、以前のブログで紹介した下地状況をご覧ください。

 


 
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 先ほどの写真は、リビングから南方向を見たところでしたが、こちらは反対側の北方向になります。
 手前の開口から奥に見える白いボードが貼られている所までは、畳の間になる部分です。
 ラスボードも左官下塗りも同じグレーカラーなので暗い印象に見えますが、仕上がりは白を基調と
 した生成り色になりますので、相当明るい室内に変貌することでしょう。
 ただ、この段階でもひと際明るく映っているのが、左上のトップライトです。


 
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 その部分を見上げたところです。
 左官職人の腕の見せ所が詰まった、思わず唸ってしまうくらいの出来栄えです。
 左官仕事は、大きな面(中でも壁より天井)を平滑に仕上げることが難しいと言われていますが、
 ここでは出隅(壁と天井のコーナー)と入隅(勾配天井の対角線が上がっていくライン)が加わっ
 ていますので、難度は高い部類に入るでしょう。
 
 どんな仕事でも共通することは、最後の仕上げよりも下地(下塗り)が重要です。
 下地が良くなければ、決して良い仕上げにはなりません。
 仕上げは後でやり直しができますが、下地までの直しは難しいことを付け加えておきます。



 

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# by mura-toku | 2018-03-08 14:52 | 建築 | Comments(0)

 最近の住宅は、以前に比べて工事期間がずいぶん短くなりました。
 早いものでは、普通の木造住宅でも2~3か月で完成してしまうことがあるようです。
 その背景には、新商品の登場や現場の省力化によるところがあるかと思いますが、はたして
 それでいいのかと、どうしても考えてしまいます。
 中でも外壁は、「金属板やサイディングのように貼れば完了、メンテナンスフリー」などの
 コメントを鵜呑みにし、多くの住宅で用いられているのが現状です。
 もちろん、これらの仕上材でもそれなりに良い素材を用いたり、表面処理に耐久性を施した
 ものであれば分からなくもないのですが、現場では廉価版が数多く見受けられます。


 
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 この現場では、昔ながらのラスモルタル塗り(防水紙の上に金属の網を貼り、その上にセメント
 と砂を混合したモルタルを塗ること)を漆喰塗りの下地として用いています。
 先に紹介した廉価版のものと比べれば高価にはなりますが、左官職人の手仕事による陰翳や連続
 した面としての魅力には、替え難いものがあるように思います。



 
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 アプローチから見上げた外観です。
 グレーに塗られたモルタル面が、最終的には漆喰塗りの表情に変わります。
 屋根の直下に貼られた杉板とのコントラストも生まれ、今から完成が楽しみです。


 
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 少し外壁に寄ってみたところです。
 「左官仕上はクラックが入るから止めた方が良い。見た目が悪くなるし、最悪のケースは雨漏り
 の原因になる」という声を未だに耳にしますが、これらの多くは施工不良が原因と言われています。
 クラックは様々な要因が考えられますが、一番気を付けなければならない点は下地=下塗りだと
 いってもいいでしょう。仕上げるまでに下地を十分乾かしておくことが、肝心なのです。
 また、クラックからの雨漏りは外壁通気層(外壁と躯体との間に結露防止用の通気を設けている)
 があれば考えられず、逆に雨が侵入した場合はこれを設けていないことになります。


 
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 先ほどの写真の左奥を見返したところです。
 グレーのモルタル面は一部の天井も塗っています。
 屋外の天井に塗る場合は壁以上に注意が必要ですが、確かな仕事であれば何の問題もありません。
 このように直に風雨の影響を受けない設計上の配慮が必要なのは、言うまでもないでしょう。
 外壁も同じように、屋根の出を極力大きく取ったほうが傷みにくいので、注意したいところです。

 どんなケースにおいても言えることですが、建築は長いスパンで考えることが重要です。
 すなわち、工事段階で相応のコストを掛けなければ長持ちはせず、後で後悔することになります。
 やはり良いものは風合いも良くなり、結果的には長持ちするということでしょうか。



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# by mura-toku | 2018-03-01 18:38 | 建築 | Comments(0)

 一般的に2階建て住宅を建てる場合、その多くは1階にリビングを希望されます。
 その理由は、夢にまで見た一戸建てだから、土と接する暮らしをしたいのでしょうか?
 それとも、リビングと連続するアウターデッキに出て、子供と遊びたいのでしょうか?
 どちらも気持ちはよく分かりますが、同時にリビングを天井の高い空間にしたいと思うと
 2階が載っている場合は天井の高さや形状に限界があります。
 もちろん、2階が載らない位置にリビングを設けるようにすれば問題ありません。
 しかしながら、そのほとんどは様々な制約を受けていて、思うようにいかないのが現実です。


 
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 そんな時、これらを解決する方法のひとつに、平屋建ての選択があります。
 相応の敷地が無ければ難しいのかもしれませんが、平屋建てなら屋根裏まで広がる開放的な
 空間をつくることは容易です。
 しかも、通常の水平天井ではなく、屋根と連動した勾配天井が空間に豊かさを加えてくれます。



 
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 写真手前がリビングになる空間ですが、屋根のラインに沿って天井が貼られていきます。
 空間を余すところなく利用した、平屋建てならではの魅力がお分かりいただけるかと思います。
 右上の北側屋根には電動開閉式の天窓を設け、自然の光と風を室内に導くよう考えました。
 この天窓は、1日を通して安定した光と、雨センサー付き(雨が降ると自動的に窓が閉まる)
 なので天候に左右されない常時換気が役立ちます。
 空間を構成している水平・垂直・勾配の木材は、全体の意匠を取り纏めながら並行して構造が
 成立するよう、見せる材と見せない材を分別し、無理の無いように整えています。


 
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 これは、空間を支える梁(柱の上に水平に載る材)の選定をしているところです。
 とても地味な作業ですが、いつも大工棟梁と一緒に時間を掛けて行います。
 色艶や強度の関係から天龍産の杉無垢材を使用することが多いのですが、木目の表情や節・割れ
 の具合を目視しながら、1本1本納得するまで、材を転ばして見せる面を慎重に決めていきます。


 
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 材を選定した後は、このように番付を行います。
 番付とは、その材がどの位置にくるのかを、予め決められた通り番号で示していくことです。
 同時に、長さをカットする位置やどの面を見せるのかを、材に直接描いていきます。

 このように、あらゆる段階において、事前の準備を怠らないことがとても大切です。
 美しさを追求する設計段階での説明はしにくいのですが、丈夫に造っていることを露骨に見せず、
 骨組みを支えている柱や梁の構造材をバランス良く見せることをいつも心掛けています。
 往々にして、美しく組み上がった建築は、決して裏切らない結果を導いてくれるものです。



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# by mura-toku | 2018-02-26 17:39 | 建築 | Comments(0)