もうすぐ9月だというのに、うんざりするくらい暑い毎日ですね!
どの家もエアコン全快ではないかと思いますが、そんな中でもほんの少しずつ秋が
近づいているなと感じるときがあるのでは。
それは朝夕になると心地いい風が吹いてきたり、庭でコオロギの鳴く音が聞こえてきたり、
温かい食べ物や飲み物を欲してみたりするとき、ふと秋の訪れを感じてしまうものです。
そんな時はできる限り窓を開け放って、五感を楽しんでみるのもいいのではないでしょうか。

少しの風でも、家の中を通り抜けていく心地良さを感じることができるのは、吹き抜けです。
最も高い天井付近で高窓もしくは天窓を開ければ、室内に上昇気流が生まれ、自然風が
文字通り吹き抜けていくでしょう。
窓は外を見たり光を入れたりするだけではなく、空気の調整をもすることをお忘れなく!
これまでは家をつくるとき、その地域の大工棟梁によって受け継がれてきたルールに沿って、
数多くのものが建てられてきました。
それは、建主が考えた間取りを棟梁が板の上に墨で描いた板図に纏めただけで、ひとつの
家の青写真がすべて凝縮されているという、素晴らしい大工術によるものでした。
時代が変わっても、この考え方を今でも基本にして建てているケースは少なくありません。
その典型的なものが、畳敷きの部屋に見てとれます。

この家は幣所で設計した 「浜松・風光庭」 ですが、これはその大工術に沿って建てていない
事例です。比較対象になる写真がないのが残念ですが、興味のある方は我が家のものと
見比べてみていただけたらと思います。
この部屋の特徴は多々ありますので、少し解説します。
◎ 部屋を広く感じさせたいため、襖や障子の上は開放にする
( 通常の場合、壁をつくるか欄間などを嵌め込むが、少し窮屈に感じる )
◎ 建具の上にある鴨居と長押を一体にし、その上は柱を見せない
( こうすることで、さほど天井が高くなくても圧迫感を感じない )
◎ 昼間は必用がない照明は、天井に埋め込んで存在感を消す
( 夜間に必用なのは適度な明かりであって、豪華な照明器具ではない )
◎ 床の間も部屋の延長として考え、床柱や地板を目立たせない
( 一般的には、床柱は手前に立ち地板は一段上げて立派に仕上げるが、
せっかくの部屋が狭く感じてしまう )
少し専門的な解説になりましたが、こうした〝さりげなくつくる〟ことが設計者に課せられた
使命なのではないでしょうか。
先々月のブログで紹介した、JIA建築ウォッチングの続編です。
御殿場にある 「とらや工房」 と 「東山旧岸邸」 を見学し、そのあと向かった先は箱根!
生憎の天気で視界は不良でしたが、久しぶりのリゾート気分に浸ることができました。

目の前に見える芦ノ湖を独り占めにしながらも、森の木立に溶け込む配慮がされています。

空腹を満たしてくれたのが、メインダイニングでのランチ。
天井の高さを生かした窓の向こうには、森と水と空が広がっていました。

建築家・村野藤吾によるこのホテルの一番の見所は、何と言ってもこのロビーでしょう。
リゾートホテルにしては大変珍しい、薄暗いフロントでチェックインを済ませた客人が
後ろを振り返り、数歩先を右に折れた瞬間、この劇的な空間が広がる仕掛けです。
私が20数年前に初めて訪れたとき、まるで異次元の世界に飛び込んだかのような
映画のワンシーンを観ている感じでした。
吸い込まれるような素敵な空間は、自然と足を前へ前へと運んでいきます。
建築はいつでも無言ですが、心に響いてくる不思議な力を持っているようです。
『 いいものは色褪せない 』 私にとって再認識させられる貴重な体験でした。
先日東京出張の折、仕事の合間を縫って 「東京スカイツリー」 を見てきました。
JR総武線で錦糸町へ向かい、そこから半蔵門線に乗り換えて押上駅下車。
地下鉄出口のなんと真後ろに、工事現場がありました。
バリケードで覆われたうえに足場が邪魔していて、お目当てのタワーがよく見えません。
そこで、隅田川支流の北十間川沿いの道を歩くこと約10分。
ようやく全景が分かる正面へ出てきました。

現在のタワーの高さは、408m。
その高さを真下から見上げて全景をカメラに納めるのは、至難の業。
見学者は一様に、ひたすら空を見上げてシャッターを押し続けていました。

個人的な感想ですが、東京タワーはどちらかというと女性的な印象。
反面、東京スカイツリーは男性的な立ち姿だと思いました。
なぜなら、前者は華奢な鉄骨材で曲線美を表現していてとても優雅に見えますが、
後者は幾何学模様を全面に押し出すことで丹精に力強く見えるからです。
想像していた以上に、存在感のある新しい東京の顔を見たようが気がしました。
今年もやってきます、『佐鳴湖花火大会』 !
8月7日(土)の夜は、またまた自宅前が大混雑になるんだろうな~
じつは公園が目の前にあるので、絶好の花火スポットなのです。
どこからともなく人がわいてきて、気が付いたらビーチシートを敷いて食事を始める家族、
折りたたみ椅子に腰掛け煙草を嗜んでいるどこかの親父、空を眺めて楽しそうに会話が
弾んでいるカップル等々、上からの観察は花火以上に楽しいものです。

こちらは、3年前に自宅のバルコニーから写したもの。
これだけ大きいものだと、花火の轟音で家が揺れるんですね~
それだけ近くに上がっているということなんでしょう。

色とりどりのものも、なかなかのもんですなあ。
楽しみな週末が大変待ち遠しい毎日です。