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静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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カテゴリ:建築( 240 )


 前回に引き続き、2日目の模様をお伝えしたいと思います。




 
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 まず初めに向かった先は、上野公園内に建つ東京文化会館です。

 JR上野駅公園口から見える建物で、日本を代表する音楽ホールのひとつに数えられています。

 ただし、今回はそのホールを見るのではなく、ある場所を見るために入らせていただきました。

 しかも、特別に開館前からの入場とあって、一同興奮を隠しきれません。




 
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 我々以外は誰もいないエントランスホール。

 私も何回かここを訪れたことがありますが、こんなにも静かで幻想的な空間は初めてです。

 重厚な外観からは想像できないほど、内からは硝子越しに公園の緑が目に飛び込んでくる明るい

 空間に、新たな感動を覚えました。




 
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 そして、目的地に到着。

 それは、屋上でした。

 普段入ることが出来ないこの場所からは、あるものが見えるのです。




 
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 それは、遠くにそびえ立つ東京スカイツリー?ではなく・・・




 
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 東京文化会館を設計した前川國男氏の師匠であるル・コルビュジエ設計による国立西洋美術館が

 綺麗に正面に見えるのです。

 道路からだと屋上に飛び出たハイサイドライトが見えませんが、このレベルだと全景がよく分かり、

 コルビュジエが描いていた全体計画の一端を知ることが出来ました。




 
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 次に向かったのは、国立西洋美術館です。

 これを語り出すと長くなりますので、当日開催されていた「ル・コルビュジエ展」を含め、この

 模様は改めてご報告させていただきたいと思います。




 
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 そして、この設計塾のメインイベントである講義会場へ向かいました。

 そこは、池袋駅から徒歩10分の位置にある自由学園明日館です。

 フランク・ロイド・ライトによる設計で、その教室だった部屋をお借りして行いました。

 余談ですが、すぐ近くにはNHKの朝ドラのロケ地になっている婦人乃友社社屋が建っていて、

 こちらはライトを師事した遠藤新氏の子である遠藤楽氏が設計をされています。


 事前に配布した設計課題について、先に私が解き方を伝えた後、各塾生がプランの説明を皆の前で

 発表し、それについて私が講評するという順番で進めていきました。

 同じ条件でも、十人十色のプランになるのが設計の面白いところ。

 塾生たちは自分のプランだけでなく、皆のプランに真剣に聞き入っていました。




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 最後は、明日館の前で恒例の記念撮影。

 充実した2日間のプログラムをすべて終了し、家路へと向かったのでありました。



 なお、好評につき、2回目以降の追加募集を受け付けています。

 詳細は、ひとつ前のブログをご覧いただければと思います。





by mura-toku | 2019-07-05 18:11 | 建築 | Comments(0)

 先日、昨年に竣工した " FUKUROI・FOREST HOUSE " を訪問しました。



 
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 あいにく霙まじりの肌寒い天候でしたが、玄関前の植栽が潤いを与えてくれていました。




 
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 すっかり新居に馴染んだ住まい方が、とても印象的でした。

 リビングの大開口からは、木のデッキ越しに芝庭と森の緑を眺めることが出来ました。

 今回訪問した理由は、今月末に開催される「町の工務店ネット全国総会 in 遠州」で見学をさせて

 いただくにあたり、注意点などを住まい手と打合せする必要があったからです。

 事務局からは、大型バスで100名を超える会員の皆様が見学に来られると聞いていたので、詳細に

 わたって検討をさせて頂いたというわけです。

 その総会の案内は、こちらになります。



 
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 今回の総会は、私の地元開催ということもあり、二軒の住宅見学と施工を共にした水﨑建築さん

 との発表をさせていただくことになりました。

 もう一軒の住宅は、こちらも昨年に引渡ししたばかりの " 浜松・夢双庵 " です。

 こちらは、特別に全紙を用いて写真と解説を添えていただきました。

 参加されるには会員限定になっているようですが、紹介等があればオブザーバーで受付をされて

 いると伺っていますので、ご興味のある方はお問い合わせください。



by mura-toku | 2019-02-15 18:12 | 建築 | Comments(0)

畳の間について考える!


 私が幼少の頃は、四畳半の茶の間が暮らしの中心にありました。

 小さな卓袱台を家族が囲み、食事をしたりテレビを観たりしながら過ごしていたものです。

 寝るときは卓袱台を片付けてから布団を敷き、家族が重なるように寝ていたことを思い出します。

 それが昨今の住宅では、フローリングの床が主流となり、畳はあっても一室もしくは部屋の隅に

 敷かれる存在になってきました。

 今回は、住まいの中で需要が少なくなっている畳の間について、少し考えてみたいと思います。



 
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 昨年竣工した " IWATA・SLOW HOUSE " のリビングですが、大きな吹抜け空間にしました。

 冬は南面に設けた大開口部から自然光を部屋の奥まで射し込むようにしつつ、夏は深い軒により

 日射を遮ることで、一年を通して快適に過ごすことが出来るようになっています。

 床は天竜杉の無垢フローリング、壁と天井は砂漆喰塗りにしていることも、仕上そのものの蓄熱

 性を働かせることで、室温を安定させてくれる要因になっています。

 このリビングを介して、1・2階の各部屋へと空間が繋がるように計画をしていますが、写真左

 奥の黄色い襖の向う側に畳の間があります。



 
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 襖を少し開けると、畳の間が広がります。

 床に畳を敷き詰めるだけで静謐な空間になるのは、何故なのでしょう。

 そこへ一歩足を踏み入れた瞬間に空気がピンと張り詰め、少し背筋が伸びる感覚になります。

 日本人であれば当然のことながら履いているスリッパを脱ぎ、そっと部屋に入るように思わずして

 しまうのは、おそらく畳の間が特別な空間であると認識しているからでしょう。

 (ちなみに、私が設計する多くの家では床が杉・松の針葉樹なのでスリッパは履きませんが・・・)



 設計をする上で、ここは特別な部屋の入口だよと、あえて示したい時に建具のデザインや色を変え
 
 たりすることがよくあります。

 この家は、全体的に素朴な民家をイメージしていたので、襖紙を日本の伝統色である唐子色にし、

 小鳥を模したデザインの可愛い引手を選択してみました。



 
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 日々の暮らしの中で、毎日見るだろうと思うところに、この引手を付けようを考えていました。

 どんなに疲れていても、見た瞬間に気が緩み、笑みを浮かべてしまう力があると思ったからです。

 決して安価なものではありませんが、手が触れたとき、精巧な作りと質感に驚くことでしょう。

 それは、今では入手不可能な真鍮製の黒漆仕上の逸品であることを付け加えておきます。



 
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 畳の間からリビングへの襖を開けて、天井の照明を灯してみたところです。

 吸放湿性と弾力性を兼ね備えた上に足触りが良い畳という素材は、日本の気候や暮らしにおいて

 適応できるもののひとつであり、またその艶と匂いは他に変えられない魅力が潜んでいます。

 正面の窓から、和紙を通して柔らかく射し込む自然光が床に反射する様は、畳表の縦糸と横糸を

 織りなすことで生まれる陰翳が空間の質をつくり出しているからにほかありません。

 かつては、蝋燭の灯りで畳や襖を反射させて夜の暮らしを営んでいたように、畳の間には床置き

 のスタンド照明が似合うのかもしれません。


 
 左側に見える襖の裏面はリビング側を同じ和紙を貼っていますが、引手は木製にしました。

 理由は普段使いが良いことと、部屋の雰囲気を考え、手に当たる感触を重視したからです。



 
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 入口の襖を閉めてみるとお分かりにように、引手が壁のスイッチと同じ高さにあります。

 これも拘りのひとつですが、同じ高さにしておけば暗がりでも引手の近くに手探りさえすれば、

 すぐに照明のスイッチが見つかるからです。

 座って使う畳の間なので、天井の高さを極力抑え、全体的に重心が低くなるよう目に見える全て

 のものに、気を配りたいと思っています。

 このさりげない縦長の引手ですが、こちらも国産の桑で作られた手触りが良いものです。

 見た目だけでなく、どんなに大きな手の大人でも手掛かりが良い優れたデザインなのです。



 畳の間は、日本人が忘れようとしている感性を刺激してくれる場だと思っています。

 い草の香りに包まれながら、和紙を通して柔らかい光に安らぎを感じさせてくれる空間。

 高機能を持つ畳だからこそ、見直してみる必要があるのではないでしょうか。




 
 

by mura-toku | 2019-01-21 11:48 | 建築 | Comments(0)

借景を活かす!


 2019年がスタートしました。今年もよろしくお願いします。

 正月は初詣や旅に出られた方が多いかと思いますが、私は無理をせず家でのんびり過ごしました。

 おかげで頭がリフレッシュされ、仕事全開モードで毎日励んでいます。



 
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 昨年竣工した " IWATA・SLOW HOUSE " の吹抜空間です。

 前回のブログでご紹介した階段の途中から見たカットで、1階の左奥が畳の間、右奥がキッチン、

 2階の右が通路、左の障子奥が寝室になっています。 

 こうして見ると、この吹抜空間を介して各エリアが繋がっているのがよく分かります。

 今回は、2階左の障子の奥(寝室)について解説してみたいと思います。



 
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 正面左の小さな開口が、先の写真で障子が見えていたところです。

 この窓は吹抜を見下ろしたり、1階の暖気を取り入れたりするために設けています。

 正面右の大きな窓は自然の光と風を取り込み、布団干しも出来るよう計画しました。

 床に座る部屋はあまり天井を高く取らず、窓も極力下げた方がぐっと落ち着きます。

 照明は、天井と同化させることで存在感が薄くなり、空間がより広がって見えます。



 
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 さて、本題の借景についてお話ししましょう。

 この部屋にはもうひとつ、正面右手に見える小さな地窓を設けています。

 この窓は、夏の夜の就寝中に床を這うように流れてくる自然の風を導くためではありますが、

 実は隣家の緑を拝借するためのものでもありました。

 最初のプランを計画する前に念入りに敷地を調査しますが、その時に見つけたご馳走(私はいつも

 そう呼んでいます)を見逃さないように配慮しました。



 
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 寄って見てみると、こんな感じに窓から景色が広がります。

 少しでも部屋の中から緑が見えるのは、気分が良いものですね。



 設計という行為は単なる間取りを考えるものでは無く、こうした周辺環境を丹念に読み取りながら

 住まい手の要望を超える提案をし、理想のコストを熟考していくことではないかと思っています。

 家は大きさ・構造・設備・素材・省エネ・健康等々、様々な点を考慮しなければなりません。

 これら全てについて、プロである人間は住まい手に分かるよう丁寧に説明をする義務があります。

 今一度、本物の家づくりとは何なのか?考えてみる必要があるのではないでしょうか?

 

 

by mura-toku | 2019-01-10 18:23 | 建築 | Comments(0)

 皆さんの家の階段に付いている手摺は、どのようなものでしょうか?

 木製や鉄製、あるいは樹脂製と種類は様々だと思いますが、形状はどのようになっていますか?

 健康な状態なら、普段の生活で階段を昇降する際にあまり手を添えることは無いかもしれません。

 ただ、人は誰でも年老いていくものであり、そうでなくても何らかの事情で歩けなくなったとき、

 手摺はしっかりとサポートできるものでなければ意味がありません。



 
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 先日竣工した " IWATA・SLOW HOUSE " の階段です。

 このように、階段踏板の奥が透けている場合は、手摺のデザインがとても重要になります。

 昇降の際に踏み外ししないためにも、しっかりと手が添えられて持ちながら移動できる木の手摺

 は、安心感を与えてくれるはずです。



 
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 2階から階段を見下ろしたところです。

 階下のリビングが吹き抜けになっているので、この手摺がしっかりしていなければなりません。

 そして、その手摺は思わず手を添えたくなるものであって欲しいと思っています。

 


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 手摺の先が紺色の壁よりも少し出ていることで、触ってみたくなることを考えました。

 手が触れるところは角張らず、優しく柔らかく感じるものが良いですね。

 先端部は、よく見ると丸く加工してくれているのがお分かりでしょうか。

 こんな些細なことが、日常の暮らしを支えてくれているのかもしれません。



 たかが手摺、されど手摺。

 毎日触れるところであるだけに、それは慎重にデザインをするべきだと思います。

 ただし、昇降しやすい階段の角度と各々の寸法が出来ていなければ始まりませんが・・・。
 

by mura-toku | 2018-12-27 18:22 | 建築 | Comments(0)

 " IWATA・SLOW HOUSE " が先日完成し、建主へ引渡しを行いました。



 
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 本来なら、外構・植栽工事まで終えて引渡しが出来れば良かったのですが、諸般の事情により

 引越し後に行うことになりました。

 南正面、アプローチ側から見た外観です。

 自立した工事中の壁がありますが、これはアプローチ正面に立つコンクリート壁です。

 入口を示す目的と結界を表すものとして、設けています。



 
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 家の中心に位置する居間をキッチンから見たところです。

 正面に建つ柱は吹抜空間を支える重要なもので、家の芯にもなっています。

 床は天竜杉の無垢フローリング、壁と天井は漆喰塗り(階段の壁は杉板)の仕上にしました。



 
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 階段を上がった2階通路から居間を見下ろしたところです。

 室内へ自然光が射し込み、明るい吹抜空間に仕上がりました。

 ただ、夏の強い陽射しを遮ることを考えておかないと、室内がオーバーヒートしてしまいます。

 最近は、高性能の遮熱硝子で対応している事例が数多く見受けられますが、私は出来る限り家の

 形状で日射調整をするように考えています。

 冬は室内の奥深くまで日射を運び、夏は深い屋根や庇等で日射を遮るよう、設計段階で寸法を定め

 ておけば、何も高性能・高価格の硝子を採用しなくても対応は十分可能です。

 また、こうすることで家の表情が豊かになり、外壁や窓に当たる風雨も少なくなるので、結果家が

 長持ちすることにも繋がるように思います。

 家は建てた後の経年変化を見ていくことも重要です。

 建ててから、年を重ねる度に良い表情に変わっていく姿を見られる方が望ましいでしょう。

 人間が円熟味を増していくように、家も古美の貫禄が醸し出せるようにしていきたいものです。



by mura-toku | 2018-12-14 11:40 | 建築 | Comments(0)

 " IWATA・SLOW HOUSE " の現場が、最終仕上げ段階に入っています。

 外部足場が外れ、屋内の左官工事がほぼ完了したため、屋内外の工事が同時に進行していました。



 
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 敷地の東側から眺めた遠景です。

 一目瞭然なのは、他の家に比べて高さが低く抑えられていることです。

 こうすることで家のプロポーションが良くなり、周辺に対して威圧感を与えないことになります。

 また家のボリュームが小さくなるので、その分外壁面積が少なくなりコストダウンにも繋がります。

 もっと大事なことは、写真を見てもお分かりのように、南側に新居が建っても北側の家(右の家)

 に冬でも太陽の光が十分に届くことになり、お隣さんとの関係が良好に保たれることになる訳です。



 
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 昨今の住宅では、建具屋さんが襖や障子を工場でつくって現場に吊り込む(枠の形状や大きさに

 合わせて隙間なく嵌め込むこと)ことが、本当に少なくなりました。

 工事期間の短縮と省力化が重視され、建具と木枠がセットになった大手メーカー製造の既製品を

 導入する現場が大半という時代にまでなってしまいました。

 それにより職人の腕は低下し、結果、後継者が育たない問題になってきています。

 何より、設計者が何も考えず、メーカーのデザインをただ受け入れることも大問題です。

 毎日そこで暮らしながら、季節の変化に伴い木が動く(無垢の木は建てた後も呼吸するため収縮

 がおきます)ことや、木の建具に触れた時の暖かさや柔らかさを感じることが、子供たちの将来

 にとって大事な情操教育を養う場であることを問いたいと思います。



 
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 階段を上がり、2階からリビングの吹抜を眺めたところです。

 家を支える無垢の木の柱と梁、思わず触りたくなる曲面加工の手摺、穴から覗きながら鬼ごっこ

 を楽しむことが出来る紺色の手摺壁等々、これが暮らしをデザインするということです。

 ただ、既製品を寄せ集めただけでは、決して豊かな空間は生まれません。

 写真では分かりにくいのですが、この吹抜はかなり高さを抑えています。

 一番の理由は、吹抜の広さに合わせて天井の高さを計算し、適度なボリュームに調整することで

 上下階が一体になるように考えているからです。(その方が家族の距離も縮まりますからね)

 それには仕上材の選択も重要で、壁と天井を漆喰にして明るい空間になれば、天井の高さは

 さほど気にならないものです。

 これらのことは体感しなければ理解できないことなのですが、狭い広い・高い低い・明るい暗い

 といった空間にメリハリをつけることが家を豊かにしてくれることを、付け加えておきます。




by mura-toku | 2018-11-26 18:38 | 建築 | Comments(0)

 " IWATA・SLOW HOUSE " の外部足場が外れました。




 
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 南側から見た全景です。

 1階と2階の間に中間階を設けるスキップフロアーの構成を持つ家で、それが外観からも分かる

 ように向かって右側の中間階の部分を赤茶色の外壁(金属板)にしてみました。

 その他の外壁は、ベージュ色の漆喰塗りと茶色の杉板張りで仕上げています。

 外観で凹凸を設けている理由は、太陽光のコントロール(夏の陽射しを遮り、冬の陽射しを導く)

 をすることと、雨を防ぐ(小雨時には窓を開けることができ、暴風雨時は窓だけでなく外壁でも

 ガードする)こと、外壁の消耗を極力遅らせることにあります。

 中でも、杉板は最も消耗が激しいため、一番奥に張って少しでも風雨に当てないよう考えました。




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 1階のリビング北側には、雨に濡れないインナースペースを設けています。

 奥のコンクリート土間には木のスノコが貼られるので、室内から直接デッキへ出らる仕掛けです。

 通りを歩く人たちの視線を気にすることなく、開放的な気分が味わえることが出来るでしょう。

 左手の出入口はキッチンへと繋がっているため、バーベキューも楽しめるかもしれません。



 
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 リビングからの階段を上がったところです。

 正面に見える濃紺色の手摺の向こう側が、リビング上部に広がる明るい吹抜空間。

 右手奥の部屋は畳の寝室で、小窓は吹抜正面の窓の開閉と換気のために設けてみました。

 天井に見える梁は、後で紹介するロフトの床を支える重要な骨組みとなっています。



 
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 2階通路と連続しているのが、子供室です。

 床は天竜杉の無垢フローリング、壁・天井は安価なラワン合板を用い、簡素でありながら質感が

 味わえる空間になるよう、木質の内装でまとめてみました。

 正面の梯子は軽量の既製品で、右手上部のロフトに掛ければ容易にアクセスが可能となっています。



 
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 その子供室から見下ろせるのが、もうひとつの吹抜空間です。

 階下にはダイニングテーブルが置かれ、右手の窓からは木々の緑越しに朝陽が射し込みます。

 左手正面には家族専用のデスクコーナーがあり、収納量たっぷりの書棚を設けました。

 1階から、お母さんの「ご飯ですよ~」と呼ぶ声に子供たちが反応できる姿が目に浮かびます。



 
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 2階上部には家の間口いっぱいまで、収納目的のロフトを設置しました。

 床面積にカウントされない天井高さとし、採光と換気のための窓を設けています。

 家の屋根を支える木組みを見せているのは、子供たちに建築への興味を抱いてもらいたいから。

 地元にはこんな素敵な木があって、それを大工さんが丁寧に造っているのを体感するだけで、

 自然と身にしみていったらいいな、なんて思っています。



 これから様々な職方が現場へ入り、急ピッチで仕上工事が進んでいきます。

 そんな様子を今後も紹介していきますので、よろしければご覧いただきたいと思います。

 

by mura-toku | 2018-11-20 17:13 | 建築 | Comments(0)

 静岡県磐田市内で工事中だった ❝ IWATA・SLOW HOUSE ❞ が最終仕上げに入りました。


 
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 外部足場が架かっているため全体像が見えにくいのですが、この家は1階と2階の間に中間階を

 挟むスキップフロアーという構成になっています。

 向かって右側の赤茶色の外壁の部分が中間階で、洗面・浴室・屋外バルコニーを配しました。

 暮らしの中で洗面・浴室をどこに配置しようか悩んだ末、上下階からアクセスしやすく、かつ

 洗濯物や布団が沢山干せるバルコニーを接続すれば便利だろうという結論に至ったわけです。

 もっとも、北東方向に視線が通ることが分かっていたので、気持ち良い空間になりました。



 
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 ここが、中2階に設けた浴室です。

 メーカーが勧めるフルユニットバス(浴室まるごとをビルトインするもの)ではなく、浴室の

 床・腰・浴槽がセットされたハーフユニットバスを選択しました。

 洗濯物干用の乾燥機や打たせ湯等の機能は付いていませんが、木の香りに包まれながら日頃の

 疲れを癒すため、壁と天井に無垢板を貼りました。

 我が家でも同材を使用していますが、15年経過した今でも黴は発生していません。

 入浴しながら庭の植栽を眺められるように、大きな窓を低い位置に設けました。

 一方で、プライバシーを守る目的で硝子と硝子の間にはブラインドがセットされています。


 
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 家族が集い談笑するリビングの吹抜空間を見上げたところです。

 家族の気配を感じながら暮らしたい、時代の流れに惑わされずに自分たちの好みに合った暮らしを

 ゆっくり刻んでいきたいという想いを具現化してみました。

 使用した木材のほとんどは地元の天竜材で、写真に見えている木は全て無垢材を用いています。

 壁に貼った天竜杉の板は色のコントラストが激しいですが、10年以上経過すると色の濃淡が分かり

 にくくなるのを承知の上で、仕上げてみました。

 階段の手摺兼用の壁のくり抜きは子供たちが覗くためのもので、楽しい感じになりました。



 
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 階段を見下ろしたところです。

 リビングからアクセスする階段は空間に溶け込ませたいので、軽快なデザインが好まれます。

 階段のフレームはもちろん、踏板も手摺も全て無垢材で組んでつくりました。



 
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 2階からリビングの吹抜空間を見下ろしたところです。

 南側の庭に面した位置には2か所の大きな窓を設けています。

 室内は明るく開放的で快適な空間になりますが、注意しなければならない点があります。

 それは、室内の温熱環境です。

 夏はダイレクトの日射をどうやって遮るか、冬は暖めた室内の熱を逃がさないようにするかを

 予め考えなければなりません。

 方法は様々ですが、私はいつの時代でも、住宅本体すなわち設計の工夫によってコントロール

 を図るのがベストではないかと思っています。

 

 自然による災害が猛威を奮う時代に入ってきました。

 自然エネルギーを最大限利用しながら、簡素に暮らしていくことが求めれているように思います。



by mura-toku | 2018-11-15 11:26 | 建築 | Comments(0)

 静岡県袋井市内で工事中だった「FUKUROI・FOREST HOUSE」が完成しました。



 
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 前面道路から見上げたところです。

 人間の背丈以上の高台に建つということで、平屋建てを選択しました。



 
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 道路から進入路を登った先には、への字型の平屋建てが姿を現します。

 右手奥が2台分のガレージ、左側が住宅で、雨に濡れずに玄関へとアクセスが可能です。

 正面奥に見える森の緑が、訪問客を優しく迎え入れてくれています。



 
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 敷地の奥、すなわち南側(森は南にある)から見える全景です。

 平屋の特性を活かし、水平ラインを強調したデザインで纏めてみました。

 屋根の頂部には、太陽熱利用のソーラーシステムが搭載されています。



 
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 森を望みながらアクティブに暮らしを楽しむため、大きなインナーデッキを設けました。

 窓から屋根の先端まで約3mもある深い軒のおかげで、夏の強い陽射しとゲリラ豪雨にも耐えうる

 第2のリビングとして機能してくれるはずです。

 昨今の日本の気候を考えると、木の窓と深い軒はこれまで以上に欠かせないものになってきました。



 
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 リビングの木の窓を全開にしたカットです。

 部屋の内外が一体となり、自然に外へ出たくなる感じが伝わってきます。

 室内・室外ともに無垢の杉床材が広がり、それらを支える骨組みも同種の杉材で構成されています。



 
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 リビングの一画には、十字の桟をデザインしたガラス窓が嵌っています。

 その脇の壁には大型テレビが置かれる予定で、バランスを考えながら大きさを整えていきました。



 
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 リビングからダイニングを見たところです。

 先ほどの全開した木の窓の内側には、同じく壁の中に納まる内障子を設けています。

 カーテンやスクリーンのようにかさ張らず、かつ断熱性が高い内障子は、とても便利です。



 
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 リビングの奥側を見たところです。

 平屋建ての良さを活かした勾配天井の入隅部分に、電動開閉式の天窓を設けています。

 天窓からの光がリビングの壁に反射するため、部屋の奥側が暗くなることを防いでくれています。



 
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 天窓からの光の先端が、ちょうど壁の入隅部になった瞬間を狙ってみました。

 おそらく、これから室内に居て、この光の動きを追うことが楽しみになってくるはずです。

 天窓は、現代版の日時計の役割をも果たしてくれるのではないでしょうか?



 
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 最後のカットは、洗面から浴室を見たところです。

 ロケーションの良さを最大限取り込みたいことから、間仕切りも浴室の窓も透明硝子にしました。

 覗かれる心配が無さそうなところなら、こうした思い切った選択は有りなのかもしれません。



 森に抱かれた広大な敷地に建つ、ガレージ付きの平屋建て。

 プライベートデッキでハンモックに揺られながら寛ぐ姿は、誰もが憧れる暮らし。

 建築家としてやれるところはここまで。

 これからは、住まい手がこの家に命を吹き込んでくれることを願うばかりです。




by mura-toku | 2018-08-24 17:08 | 建築 | Comments(0)