静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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 設計のスキルを磨きたい、自分の想いをクライアントに伝える術を学びたいなどの声に応える
 目的で、私塾を始めることにしたのが、今から3年前の2015年。
 早いもので、 ❝ 村篤設計塾 ❞ は今年で4回目を迎えることとなりました。
 そこで、これまでの足跡を振り返りながら、その模様をご紹介したいと思います。



 
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 設計塾ですから、皆さんに設計をしていただくことに相当な時間を割いていますが、良い設計を
 するためには実際の建築を見て感じることも重要だと考え、毎回必ず見学を組み込んでいます。
 こちらの住宅は2008年に竣工した「浜松・山東庵」で、静岡県住まいの文化賞最優秀賞を
 受賞しました。塾生自ら住まい手に住み心地等の感想を聴けるのも、勉強になると好評です。


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 私たちが設計した住宅だけではなく、各地に点在している名家も訪問します。
 こちらは、岡山県倉敷市内に建つ「大橋家住宅」の一室です。
 黒塗りのインテリアに自然光が射し込む劇的な空間は、思わず息をのむ美しさでした。



 
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 ときには、このような和風旅館に泊まることもありました。
 こちらは、京都東山のウェスティン都ホテル京都の別館「佳水園」です。
 社会に出て初めて感動した名建築のひとつで、建築家・村野藤吾による設計として知られています。
 参加者全員が別々の部屋に宿泊し、皆でそれぞれの部屋を見学したことが思い出されます。



 
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 見学先は、これだけにとどまりません。
 アウェイ(私のホームである浜松から出向いていく)の場合は、必ず塾生の仕事も拝見します。
 こちらは、愛知県西尾市のイシハラスタイルの仕事です。
 同じ塾生として緊張する場面ではありますが、以外にも屈託のない会話が印象的でした。



 
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 さて、ここからは設計の勉強について、ご紹介します。
 はじめは、座学である設計講義の一場面です。
 私が考える設計手法についての説明と、どうやってプランを導いていったらいいのかを具体的に
 分かりやすく解説していきます。



 
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 設計講義の後は、塾生たちが設計課題についてプランニングをしているところを回っていき、
 マンツーマンにて直接話をしながら設計の手助けを行います。
 こうすることで、何をどうしたいのかが見えてくるので、ここはお互いに真剣モードとなり、
 個性を活かしたプランが徐々に整っていきます。




 
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 塾生のプランが出来たら、次は各自発表となります。
 ここでは私がクライアントになり、説明を聞く側に回ります。
 これも日常の仕事において、どれだけクライアントに分かりやすく端的に説明が出来ているのか
 を試す、まさにトレーニングの場と言っていいのかもしれません。



 
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 今度は、私がそのプランに対して講評を行います。
 プラン完成まで同じプロセスを踏んでいるはずなのに、見事に違うプランが出揃います。
 塾生たちからのリクエストもあり、厳しいコメントを吐き捨てる場面も・・。



 
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 夜は、開放的な気持ちで懇親会を行います。
 こちらは、倉敷市内にある創作フレンチの「キャンドル卓 渡邊邸」ですが、建築家のデザインに
 よるインテリアがとても素敵で、キャンドルの灯りに包まれた良いひと時でした。



 
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 最後は、私の建築の原点「河井寛次郎記念館」と、今回の設計塾で見学いただける住宅です。
 私が20代の頃に設計した築35年の「街の語り部になる家」をご覧いただくことが出来ました。
 今回も充実したプログラムになっていますので、是非ご参加を検討してみてください!




 



 



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# by mura-toku | 2018-04-13 19:03 | イベント | Comments(0)

 現場は、大工工事が終盤に入ってきました。
 今回は、大工による造作家具(現場で製作する仕事)について、ご紹介したいと思います。




 
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 この板は、オークの無垢板で原板の大きさが、巾630mm×長さ3900mm×厚さ75mmありました。
 俗に言う耳付(丸太をスライスして皮の部分まで残す挽き方)で、無垢材であることを示すために
 このままの形状(両端が波打っている)で使用することが多いのですが、今回はデザイン上、中央の
 良質な部分のみを木取りして、仕上げるようにしました。
 白チョークで描いた箇所が使用範囲を示していますが、両端の白太(皮に近い部分は白くて柔らかい)
 と長端部の割れを避けていることが分かります。
 このように、実際の材を目視しながら作り手と決めていく作業も、建築家として大切な仕事なのです。



 
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 先ほどの板材を加工して仕上がってきたものを、現場で寸法確認しているところです。
 このカウンターはダイニングの収納家具として使うことから、消耗しにくい堅木としました。
 加工前では板が綺麗に削られていないため様子が分かりにくかったのですが、完成品は見事な
 木目が浮き出ていて迫力を感じさせてくれました。
 左手奥の部分は窓台を兼ねているためカウンターが幅広くなっていて、境目には障子の敷居溝
 が掘られています。
 ただし、これをあまり考えずに加工をしてしまうと、板が反ってしまいますので、そのような
 ことにならないよう板の裏側で特殊な仕事をしてもらいました。
 これは、実物をご覧いただく方が分かりやすいので、その機会を楽しみにしていてください。
 



 
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 もうひとつの材は、最近、住宅や店舗で見かけることが多くなったブラックウォールナットです。
 ただ、先ほどのオークのように1枚の無垢板ではなく、幅の狭い板を貼り合わせた集成版を採用
 することにしました。
 その理由は、使用した部位によるところが大きいかと思います。



 
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 こちらは、本が大好きな建主のために製作してもらった書棚です。
 背板を除いた全ての材を、このブラックウォールナット集成版にしています。
 この材を採用した理由は、硬くて狂いにくく、強度があることを兼ね備えているからです。
 本の重量だけでも相当なものですが、写真のように床から浮かせているために、箱として固める
 必要がありました。
 独特な雰囲気を持つ材と漆喰壁との調和を、早く見てみたいものです。

 このように、置き家具と違って造作家具は、目的を見据えて適材を選択し、造ることが出来ます。
 もちろん材はピンキリですが、予算に合ったものを建主と選んでいくのも楽しい仕事と言えます。
 「自分たちの暮らしを見つめながら、素敵な材を見つけていく」
 そのためには、設計のプロである水先案内人が必要なのではないでしょうか!
 


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# by mura-toku | 2018-04-06 18:41 | 建築 | Comments(0)

 前回に引き続き、適材適所について考えてみましょう。
 今回は、家の中で気になるWC・洗面・浴室などの水廻りです。



 

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 まずは、洗面室のPLANを説明します。
 右手正面に洗面カウンター、左手手前に洗濯機を置く、比較的オーソドックスなレイアウトで、
 洗面脱衣室とも呼ばれています。
 洗面カウンターの上の壁は特注サイズの全面ミラーを貼り、さらにその上は電動開閉式の横長
 スリット窓を設けました。
 こんなに窓が小さくても、天井に接する位置に設けることで室内を明るくすることが出来ます。
 側面の壁には、歯磨きやシェーバー等を置くための埋込棚(壁の厚さを利用)を設けました。

 仕上材に目を移しましょう。
 壁・天井には、白木の板を全面貼りしています。
 こうすると高級旅館を希望されているように見えますが、決してそうではありません。
 この板の性能がとても高く、こうした場所に最も適していると思うからです。
 家の中で高湿度になる空間だからこそ、湿度調節が可能で、高い抗菌性を兼ね備えた材を使用
 することが、家を長持ちさせることに繋がるのではないでしょうか。
 ちなみに我が家は15年経ちましたが、今のところカビや腐れなどは発生していません。
 さて、気になるその板は何かと言うと、定番で使用している青森産の天然ひば(無垢)です。
 予算が許せるなら、このように仕上りが美しい床用の一枚板が良いでしょう。



 
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 もちろん、浴室も同じ板を貼りました。
 さすがに、床に接するところまでは貼れませんので、腰の部分(グレーのコンクリート面)は
 石貼り(水に濡れると美しい緑色になる十和田石)としています。
 この石は温泉浴場などでよく見掛けられるもので、滑りにくく足触りの良さが特徴です。
 天井の四角い穴には換気扇、丸い穴には読書のための照明を設置するためのものです。



 
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 仕上材を選定するにあたり、意見が分かれるのはWCです。
 先に紹介したひば板を貼るほど湿度が高い部屋ではないので、あまり必要とされていません。
 逆に、汚れにくく拭き掃除が容易なものを選ばれるような気がします。
 上の写真は1階のWCですが、腰の部分はメラミン化粧板、壁と天井は和紙貼りにしました。
 右手前には手洗いカウンターを設けたので、蛇口から出る水はねを考慮した高さまでを汚れ
 にくい素材とし、それ以外は風合いを考えたナチュラルな仕上げとしています。

 このように、家の中ではシチュエーションの違いにより、選ぶ仕上が変わります。
 ただ、機能性を重視しすぎると、無機質な冷たい印象になってしまうので、注意が必要です。
 毎日使う水廻りだからこそ安易に考えず、自分たちの暮らし方に合った仕上を選定すべきでしょう。



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# by mura-toku | 2018-04-03 18:28 | 建築 | Comments(0)

 ❝ 浜松・夢双庵 ❞ の玄関が形になってきました。



 
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 玄関入口から見た感じです。
 手前の天井は低く抑え、奥の天井を上げてみました。
 グレーの穴開きボードの面は砂漆喰塗りになりますので、明るい仕上がりになります。
 つまり、天井の低い部分は壁と同化するため存在感がなくなり、奥の天井に視線が運ばれるよう
 考えました。そこで、まずは奥の天井を見てみましょう。



 
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 天井板は屋久杉の無垢板、それに取り合う細い木材は吉野杉の赤柾材です。
 最近の住宅ではほとんど見られなくなりましたが、無垢の天井板を貼ってみました。
 うっすらとラインが入っていることと、板と板が重なっているところが無垢の証です。
 写真では判別が付きませんが、とてもいい仕事をしてもらいました。
 なかなか実物をご覧いただける機会が少ないので、完成時にご覧いただきたいと思います。



 
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 靴を脱いで最初に足で踏む材(式台)は、栗を選択しました。
 建主の要望を踏まえながら、材のバランスを見て、小ぶりのナグリを施しています。
 これは塗装前の状態ですが、こちらもいい感じに仕上がりました。
 足に触れた瞬間、心地良さが伝わり、視線の先には屋久杉の天井が広がります。



 
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 もうひとつの注目点は、先ほどの式台と同じ栗材を下足入れの天板に使用していることです。
 流れるようなひとつながりの木目模様は、一目見て無垢であることが分かります。
 最初の玄関全景カットで、左側に写っている腰高のカウンターがこの材です。
 左奥の窓の手前に障子戸を入れ込むため、天板に溝を掘り込みました。


 今回は玄関を紹介しましたが、土足から床へ上がる高さの変化や、限られたスペースゆえの間近で
 見られることに耐えられる設計をしなければなりません。
 それには計算された空間設計はもちろんのこと、使用する材まで気を配りたいものです。
 そして、その選択はひとつの材(今回は栗のナグリ)によるところが大きいと言えます。

 様々な人が出入りする玄関は、設計者にとって最も緊張する場であり、材を見て欲しい場でもある
 ことを付け加えておきたいと思います。国産の栗と屋久杉、吉野杉の選択。必見の価値ありです!



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# by mura-toku | 2018-03-28 17:38 | 建築 | Comments(0)

 ❝ 浜松・夢双庵 ❞ の西面外装工事が完了しました。



 
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 この西面に採用した外装材は、塗装ガルバリウム鋼板の角波スパンドレルというもので、
 正面から釘やビスを見せずに張ることが出来るため、耐久性に優れています。
 隣家が迫っていることもあり、頻繁にメンテナンスをすることが無いよう、穴あき25年・
 塗膜15年保証と遮熱・耐汚染機能が付いた高耐久製品を採用しました。
 もうひとつの理由は、この面が西面であるということです。
 それは・・・このまま説明を続けてもいいのですが、外装材の話に逸れてしまいそうなので、
 ここから本題に入ります。

 写真中央に見える窓をご覧ください。
 窓の上と左に板材がカバーされていますね。
 もう少し近づいて見てみましょう。



 
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 やはり、窓の上と左に巾広の板が取り付いています。
 ちなみに、この窓は横軸回転(正確には軸が移動しながら窓の下側から開いていって、窓が
 水平になったら止まる)の滑り出しなので、多くの場合は板が設置されていません。
 コストやデザインによる理由が大きいかと思われますが、果たしてそれでいいのでしょうか?

 家は外観デザインを整えつつ、住まうことに対応しなければ意味がありません。
 さらに言うのなら、あらゆる環境に対応できる窓でありたいと、常々考えています。
 前の写真をご覧いただければお分かりのように、この窓と上の屋根には相当の距離があります。
 2階の窓なので、少し開けたまま外出してしまい、帰宅したら不意の雨が降り込んでいた、と
 いうことも考えられなくはありませんね。そう、答えは雨除け(霧除け)のためでした。

 もうひとつの左側の板は何でしょう?
 それは、西面に答えがあります。
 周囲の状況にもよりますが、何と言っても夏期の西日対策です。
 ご承知のように、夏の西日は緩い角度で北西方向から射し込んできます。
 答えはそれを防ぐためなのですが、実はそれだけではありません。
 浜松特有の季節風(南~南西の風)をこの板で受けとめ、風を室内に導くためです。




 
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 この家は、2013年に竣工した ❝ 磐田・直庵 ❞ です。
 少し分かりにくいかもしれませんが、2階の窓には同じく上には庇が、左には壁が付いています。
 詳細をお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。


 



 
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 ❝ 浜松・夢双庵 ❞ に取り付いているもうひとつの庇です。
 こちらは縦長の窓で、同じく滑り出しなのですが、縦軸回転(軸が移動しながら窓の手前側から
 開いていって、窓が90度になったら止まる)になります。
 つまり、窓を開ければそれが風を受けとめるため、上の雨除け用庇だけで十分なのです。
 



 
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 この家は、2016年に竣工した ❝ HAMAMATSU・AKANE HOUSE ❞ です。
 同じように、右手の西面2階窓上には庇が付き、窓を開けて風を呼び込んでいます。
 よろしければ、こちらもご覧ください。


 


 日本は今、酷暑・豪雨・極寒などの異常気象に見舞われています。
 こうした状況を乗り切るためには、庇ひとつもおろそかに出来ません。
 想定できるシチュエーションに対応可能な設計を心掛けることは、とても大切です。
 各地の気候を踏まえ、自然に逆らわない家づくりを進めていきたいと思います。


 



 
 

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# by mura-toku | 2018-03-20 15:45 | 建築 | Comments(0)