静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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2018年 02月 14日 ( 1 )


 今年の冬は全国的に冷え込みが厳しく、私が暮らしている静岡県浜松市でも雪こそ降らない
 ものの、氷点下の最低気温を何度も記録しました。
 太平洋岸の特長である温暖な気候に恵まれ、大雪警報が出た日でも風花が舞う程度ですので、
 雪国に暮らされている皆さまからすれば、春の陽気に感じられてしまうことでしょう。
 というわけで、真冬の浜松は連日晴天の日が続きます。


 
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 現在工事中の現場へ行き、屋根の上にあがってみました。
 この日は多少曇りがちでしたが、それでも太陽の温もりを感じる穏やかな天気でした。
 ちょうどここからは、私が30年ほど前に設計した家(右に見える黒い屋根の家:1984年竣工
 蜆塚の家)を望むことが出来ます。



 
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 「 屋根には太陽が住む 」というタイトルの通り、私が暮らしている地域はほぼ一年中、屋根に
 太陽が降り注いでいます。つまり、屋根には太陽が住み着いているようなものなのです。
 温暖な地域とはいえ、冬の夜間は気温が下がりますので、暖房装置は当然必要になりますが、
 この熱源を化石エネルギーに頼るのではなく、極力太陽エネルギーに依存しようと考えました。
 黒色のパネルは高性能の集熱板と断熱された箱がドッキングしたもので、電気を創る太陽光発電
 ではなく、高温の熱(空気)を集める太陽熱利用システムの部材です。
 1軒の住宅で畳3枚~4枚程度のパネルを載せるだけで、室温の向上を図ることが出来ます。



 
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 集熱パネルで得た高温の空気を、家の中へ送りこむための金属製BOXを入れているところです。
 屋根の下地面に穴を開け、部材を差し込みます。



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 差し込んだ後は、空気漏れと防水のためにテープをしっかりと貼り付けます。
 金属製BOXの内側には高温を保つため、銀色の高性能断熱材で覆われているのが分かります。
 ちなみにBOX内で空中に浮いている黒いバーは、温度センサーを取り付けるためのものです。



 
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 集熱パネルの設置が終わり、周りの金属製屋根が葺き終わったところを見上げてみました。
 青空に黒色の屋根が輝いて見え、パネルと屋根が一体になっているように感じました。
 高温の空気は集熱パネルだけでも集めることは出来ますが、このように南面に大きな屋根がある
 場合は、予備集熱としてパネルの手前を金属板で葺かれた方が望ましいでしょう。
 そして、この高温空気を家の中(原則として床下)に取り込むことで、快適な環境が実現します。



 
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 写真の家は、2003年に竣工した

 ですが、この家も同様の太陽熱利用システムを導入していて、1階の床下に空気を送り込むことに
 より、床暖房を図っています。
 ❝ 浜松・夢双庵 ❞ の完成予想とは異なりますが、仕切が少ない吹抜空間をつくることができます。
 つまり、家の中のどこにいても温度差の無い室内環境となり、ヒートショック(室温の低いWCや
 脱衣所・浴室で倒れること)が起きにくくなります。
 また、ひとつながりの家に暮らすことで常に家族の気配が感じられ、良好な家族関係を築いている
 ケースをこれまでいくつも見てきました。
 中には、このような家に影響をされたのか、建築やデザイン等のものづくりを目指す子どもたちも
 生まれてきています。

 家は丈夫で長持ち、格好良くて省エネが一番、といったCMをよく見掛けます。
 どれも分からないわけではありませんが、それを全て満たしたら本当にいい家になるのでしょうか?
 私はこう思います。どんなに密集地でも空を見上げて太陽が出ていれば、それを利用したいと。
 多少のイニシャルコストは掛かりますが、日溜まりのような心地良さは替え難いものがあります。
 家をつくるうえでのポインとは沢山ありますが、自分にとって何が大切かを考えてみたいものです。

 

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by mura-toku | 2018-02-14 16:13 | 建築 | Comments(0)