❝ 浜松・夢双庵 ❞ 適材適所を考える(水廻り編)!
2018年 04月 03日
前回に引き続き、適材適所について考えてみましょう。
今回は、家の中で気になるWC・洗面・浴室などの水廻りです。
まずは、洗面室のPLANを説明します。
右手正面に洗面カウンター、左手手前に洗濯機を置く、比較的オーソドックスなレイアウトで、
洗面脱衣室とも呼ばれています。
洗面カウンターの上の壁は特注サイズの全面ミラーを貼り、さらにその上は電動開閉式の横長
スリット窓を設けました。
こんなに窓が小さくても、天井に接する位置に設けることで室内を明るくすることが出来ます。
側面の壁には、歯磨きやシェーバー等を置くための埋込棚(壁の厚さを利用)を設けました。
仕上材に目を移しましょう。
壁・天井には、白木の板を全面貼りしています。
こうすると高級旅館を希望されているように見えますが、決してそうではありません。
この板の性能がとても高く、こうした場所に最も適していると思うからです。
家の中で高湿度になる空間だからこそ、湿度調節が可能で、高い抗菌性を兼ね備えた材を使用
することが、家を長持ちさせることに繋がるのではないでしょうか。
ちなみに我が家は15年経ちましたが、今のところカビや腐れなどは発生していません。
さて、気になるその板は何かと言うと、定番で使用している青森産の天然ひば(無垢)です。
予算が許せるなら、このように仕上りが美しい床用の一枚板が良いでしょう。
もちろん、浴室も同じ板を貼りました。
さすがに、床に接するところまでは貼れませんので、腰の部分(グレーのコンクリート面)は
石貼り(水に濡れると美しい緑色になる十和田石)としています。
この石は温泉浴場などでよく見掛けられるもので、滑りにくく足触りの良さが特徴です。
天井の四角い穴には換気扇、丸い穴には読書のための照明を設置するためのものです。
仕上材を選定するにあたり、意見が分かれるのはWCです。
先に紹介したひば板を貼るほど湿度が高い部屋ではないので、あまり必要とされていません。
逆に、汚れにくく拭き掃除が容易なものを選ばれるような気がします。
上の写真は1階のWCですが、腰の部分はメラミン化粧板、壁と天井は和紙貼りにしました。
右手前には手洗いカウンターを設けたので、蛇口から出る水はねを考慮した高さまでを汚れ
にくい素材とし、それ以外は風合いを考えたナチュラルな仕上げとしています。
このように、家の中ではシチュエーションの違いにより、選ぶ仕上が変わります。
ただ、機能性を重視しすぎると、無機質な冷たい印象になってしまうので、注意が必要です。
毎日使う水廻りだからこそ安易に考えず、自分たちの暮らし方に合った仕上を選定すべきでしょう。
by mura-toku
| 2018-04-03 18:28
| 建築