❝ 浜松・夢双庵 ❞ 軒先に気を配る!
2018年 02月 20日
設計をする上で、いつも気になることのひとつが端部のデザインです。
それは内外を問わず、線や面の終端部の納め方にかなりの時間を要します。
例えば屋外だったら、最初に考えるの部分は屋根の先端すなわち軒先です。
手前の足場の陰で見えにくいのですが、2階屋根の右端(左端も同様)は斜めにカットしています。
外観の印象は屋根の大小に関わらず、ほとんどがこの軒先の見せ方で決まるのです。
建主の好みを把握し、建築家が答えを出す。今回はシャープなデザインにしてみました。
軒先に近づくと、斜めにしているのがお分かりになると思います。
屋根そのものが金属板なので、軒先を同じ素材でカバーしてみました。
屋根の下に見える半円形の樋も、同種の既製品を使用しています。
屋根を葺く前の下地は、このようになっています。
あらゆる仕事がそうであるように、美しい仕上げには下地が重要です。
変則四角形の断面に加工した木下地を、端部に至るまで慎重に取付けていました。
他の屋根の端部を下から見上げたところです。
黒のシャープなラインに白い軒裏(最終的には着色)と無垢板が良く映えます。
軒先コーナーを近づいて見上げると、こんな感じです。
仕上がってしまえばシンプルに見えるものですが、このデザインが外観の印象を大きく左右します。
「たかが軒先、されど軒先」
家の外観は、初対面で顔を会わせたときのように、その人の性格が表れるものです。
私は人やまちに対して、少しでも品よく映るよう、軒先には気を配りたいと思っています。
by mura-toku
| 2018-02-20 16:55
| 建築