❝京都・侘楽庵❞ ご紹介!
2018年 01月 12日
しばらく、ブログの更新をする間もなく、毎日仕事に追われる日々を送っていました。
HPの作品集で紹介しているように、ここ数年は事務所やこども園の設計を手掛けていました。
これらの仕事の多くは補助金を受ける関係から、スケジュール厳守で進めなければなりません。
読者の中には楽しみにされていた方もいらっしゃるかと思いますが、ようやく落ち着いて書く
環境が整ってきましたので、今日から少しづつ遅れを取り戻していきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いします。
というわけで、前回の続き ❝京都・侘楽庵❞ の完成写真をご紹介いたしましょう。
西側の外観を見上げたカットです。京都ならではの条例で色の規制(単色だけではなく、ツートンの
ケースでは色のコントラストも規制あり)を守りながら、配色を決めました。
街並みに溶け込む土壁風の仕上りになっています。
道路に面した全景です。私が訪問した2015年の4月は、ちょうど外構と植栽の工事中でした。
先ほど紹介しました京都の条例で、もうひとつデザイン上の制約があるのは、必ず下屋(1階
から2階まで外壁をのっぺりと続けるのはNGで、1階部分に付ける屋根あるいは庇のこと)を
設けなければならないことにあります。これには、正直苦労しました。
建主の奥様がお茶をされていることから、設計に組み込んだ8畳の茶室。畳の一部に炉を切り、
天井には釣釜用の金具を設置しました。あえて柱を見せず、塗り壁を連続させることでシンプル
なデザインを心掛けています。
正面の障子を開けると、庭の緑が目に飛び込んできます。
といっても、これはお向かいの庭を借景としていただいたもの。
初めて敷地を見に行った時に記憶にとどめ、設計に活かすことを常に考えています。
前回のブログで紹介した「椿の曲り」の床柱が、このように納まりました。直線で構成された部屋の
一部に自然なラインが入るだけで、空間が和らぎます。床の間の壁は聚楽塗で、空間を引き締める
ことを考えました。間接照明が陰翳をつくり出し、部屋に奥行きを与えてくれています。
今回の紹介はここまで。次回は、この続きをお約束します。
これからも、よろしくお付き合いください!
by mura-toku
| 2018-01-12 11:34
| 建築