聖オルバン教会!
2012年 04月 26日
JIA(日本建築家協会)静岡地域会主催による〝建築ウォッチング〟に
参加してきました。
今回は 「東京の教会を訪ねる」 と題して、56年の時を刻む木造教会から
近作までを一日で巡る見学ツアーです。
早朝、静岡駅に集合した一行は、バスで一路東京へ~

東京タワーの近くにあるこの教会は、建築だけでなく看板デザインも大変
慎ましく、暖かいものに感じられました。

右に見えるのが聖オルバン教会で、1955年(昭和30年)に建てられました。
設計は、チェコ生まれの米国建築家アントニン・レーモンドによるものです。
1966年に、道路拡張のため後方へ4mほど建物をずらしているとのこと
でしたが、その影響は全く見られず、今でも元気な姿を見ることができます。
ちなみに、左奥に建っているのが建築家・香山壽夫設計の聖アンデレ教会です。

この絶妙なプロポーションは、言葉では伝えにくいものですね~
多くの人々を招き入れる、優しく包み込む、暖かい気持ちになれる、そんな
雰囲気を醸し出しているエントランスです。
簡素な木組み(この教会は木造なんです)に煉瓦の組合せは、実にいい!

おおらかでいて、とてもヒューマンな空間が広がっていました。
当時与えられた建築費が2万3千ドル(およそ800万円ぐらいでしょうか?)
との理由で、「普通丸太の皮を剥いて紙やすりを掛けただけの材料を、日本の
技術で組み上げた。」 とレーモンドは記していますが、かえってこの選択が
教会の質感を高めたのではないでしょうか?

細い丸太だけを用いて大空間を構築する発想も素晴らしいと思いますが、
この複雑な木組みをいとも簡単に造り上げてしまう日本の大工技術の高さ
も、目を見張るものがあります。
高価な材を用いなくても、見るものに感動を与え続ける建築があるんだと、
あらためて感じ入った一日でした。
by mura-toku
| 2012-04-26 11:41
| 建築