窓について考える!
2011年 12月 21日
最近の住宅についてよく耳にする言葉は、長期優良・ゼロエネルギー・性能評価・・・。
どれも性能重視、機能重視がまず大切で、これでなければ家が長持ちしないと
言わんばかりのコピーに溢れている。果たしてそうであろうか?
例えば、窓について考えてみる。
窓は、当たり前だが外を見たり、光を入れたり、風を導いたりするものである。
気候が良ければ窓を開けて、外に出たり、空気を入れ替えたりするものだ。
こういう日常の行為が、耐震性や省エネを重視するあまり、窓そのものが性能だけで
チョイスされる傾向になってしまってきていることに、疑問を感じてしまう。

京都・大原三千院の硝子窓。
多くの観光客が決まって、この窓を写していく。
建物の歪みが窓の合わせ目に隙間を生じさせていて、当然ながら気密性は悪い。
だが、ここから見える景色にふっと目が行き、思わず心が和む。
室内が暗いがゆえに、外の明るさがより一段とこの窓を引き立たせている。

格子を通して射し込む柔らかい光は、何とも心地良い。
こんな部屋があったら、書の道を極めてみたいと思ってしまう。
この場は、窓全体がこの格子に覆われているからこそ、成立する世界である。

外の景色を切り取りつつ、風を床面に流す目的で設けた地窓である。
季節は夏真っ盛りの夕暮れ時、蚊取り線香の煙がたなびく姿は、なぜか懐かしい。
〝大津・洒落庵〟の住まい手は、この窓を大切に活かしている。
地窓から床を照らす醍醐味は格別なものであることを、知り尽くしているかのように・・・。
by mura-toku
| 2011-12-21 17:18
| 建築

