KAIT工房探訪~その2
2011年 06月 14日
昨日に引き続き、KAIT工房のお話しをしたいと思います。

こちらが正面になるのですが、ガラス面から少し入り込んでいるところが入口です。

大きなスライディング建具は自動式、上にはわずかな金属庇が取り付いています。

入口を室内から見たところです。
脇には傘立や鉢植えの花が置かれ、以外と雑然とした空間に思えました。
ガラスの向こうには、高層の情報学部棟が見えています。

入口を入ったところのスペースです。
物凄く細い金属の柱?(正確にはフラットバーと言って、金属の帯板だった) が
無数に建っていて、まるで霧に包まれた森に迷い込んだ錯覚を覚えました。
それでも写真の向こう側に見えるスペースに比べれば、ここだけは金属部材が
建っていないだけ、少し広がりが感じられます。

入口から入った正面奥には、桜並木がまるで絵のように展開されています。
自分は今、建築物の内に居るのか、外に居るのかが分からなくなりました。
自分が置かれている白い霧の中に、老木の桜が混在し合っている世界は、
おそらく仮想と現実を曖昧にすることで起こるであろう、人間のポテンシャル
を引き出す目的があったのではないでしょうか。
設計者が何故ここにガラスの箱を置きたかったのか、少し理解できました。

建築物の骨格が分かるアングルです。
天井は金属屋根の裏面を白色塗装し、ライン状に天窓を設けています。
柱に見立てた金属フラットバーは総数305本、厚さと寸法はまちまちで
建っている方向も一定ではありません。

また違ったアングルからのものです。
ワンルーム空間ですから全てが見通せてしまうのですが、整然としていない
ように見えて、以外と各自が自分の場をしっかり確保している様子が伺えます。

ちょっとした休憩や語らいの場を意図してか、特注の金属家具が置かれています。
なんだか家具も現実のものとは思えないような、デザインで統一されていました。

305本の柱が林立する空間を歩いてみて思ったことは、まるで回遊式庭園の中を
様々な角度から楽しむ仕掛けを用意しているのではないかということでした。
自然の木々の形、射し込む光、落とされる影は、見る方向や時によって刻々と変化
していきます。
設計者は創作の場として空間を柔らかく仕切りながら、自然に生かされていることを
体感してもらうために、その魂をこの建築に注ぎ込んだのではないでしょうか。
by mura-toku
| 2011-06-14 10:28
| 建築

