KAIT工房探訪~その1
2011年 06月 13日
〝KAIT工房〟と聞いてすぐにピンとくる方は、相当の建築通ではないでしょうか。
そう、あの当時ずいぶんと話題になった、神奈川県のある建築がそれなのです。
少し前になりますが、今年の1月に私が所属しているJIA (日本建築家協会) の
第4回建築ウォッチングで、その建築を見てきました。

静岡駅を早朝に出発した我々は、東名高速道路をひたすら東進し、最寄のICで
降りた後、ようやく目的地の厚木市内に入りました。
住宅や商店が連なるバス通りを走っていると、車窓から輝く高層の建築物が出現!

ちなみにこちらはお目当てのものではありませんが、窓の配置がリズミカルです。
ここで、少し解説いたしましょう。
KAIT工房のKAITとは、「KANAGAWA INSTITUTE OF TECHNOLOGY」 の
略で、日本名は神奈川工科大学のことをそう呼んでいます。
高層建築物は、この大学の情報学部棟で地下1階、地上13階、延べ床面積は約
16,300㎡ (5000坪弱) の大きさがあり、この周辺のランドマークを誇っています。

目的のKAIT工房を遠くから眺めたところです。
写真中央の、木々に見え隠れする平屋建てに向かって歩いていくと・・・。

全面ガラス張りの姿が現れました。
学生の自由なものづくりを支援する創作活動の場として建てられたもので、延べ床
面積約2,000㎡ (600坪) の鉄骨平屋建てとなっています。

いきなり中には入らず、あえて周囲を確認することにしました。
向かって右側の壁面は、上から下までガラスのみで構成されていて、全く凹凸が
ありません。

裏手に回りこむと、以前からあったであろう桜並木が存在感を示していました。
木々の枝がガラスに映りこみ、建築物そのものを消しているように見えます。
たぶんこの壁面もガラスのみの構成であるため、より鮮明に景観を写し取っていて
それがあたかも同化しているかのような錯覚を覚えてしまうから、不思議です。

さらに左手へ回り込んだのですが、ここも全面ガラス張りで、凹凸が見られません。
手前に見える出入り口ぐらいは、通常かるく庇を設けたりするのですが、見ての通り
何もないため非常にすっきりしています。

建築物の角 (壁上部の出隅部分) を見上げたところです。
ガラスと小さい金属のみで造られているのが、お分かりでしょうか。
ガラス越しに白い天井 (正確には屋根の裏面) と何かを動かすための金属レール
が、透けて見えていますね。

隅々まで観察していたら、このように壁の上が汚れているところを発見しました。
完成してからわずか3年での経年変化を、皆さんはどのように捉えるのでしょうか。
建築には毎回テーマが与えられ、その答えを導き出すために悪戦苦闘するわけ
ですが、設計者としての考え方を押し付けるのではなく、完成後のメンテナンスを
含めた上で建主との合意が図られるべきではないかと、私は思うのですが・・・。
by mura-toku
| 2011-06-13 16:34
| 建築

