『浜松・憩庵』 エピソード2!
2011年 06月 03日
今日は、『浜松・憩庵』 で使用した建具金物について、お話をしたいと思います。
一口に建具金物と言っても、それには様々な種類が存在します。
例えば、ドアならハンドル・兆番・ストッパー・スコープ・戸当りなど、引戸なら
引手・レール・戸車などが主なものとして挙げられます。
また、障子や襖戸、開き戸や折れ戸、跳ね上げ戸やすり上げ戸など、建具の
仕上げや開閉の仕方によっても、選定される金物は多岐に及ぶのです。
今回は、この中で引戸に使用した引手に焦点を宛てて見ることにしましょう。

玄関の板戸を室内側から見たところです。
縦長の硝子形状に合わせて、少しお洒落な引手を選択してみました。

縦のラインがカーブしている〝舟型引手〟です。
地金は真鍮で、仕上げは仙徳と呼ばれるもの。
使い込むほどに味わいが出てくる逸品で、一生ものと言えるでしょう。

襖に使用した〝横角引手〟です。
同じく地金は真鍮、仕上げはウルミ色の漆を塗っています。
横長のプロポーションは珍しいですが、これがとても使いやすいのです。

こちらも襖に使用した〝大丸引手〟です。
地金・仕上げとも同じものですが、これも一般に市販されているものと比べて
一回り大きいので、手掛かりが非常に楽に感じます。
ちなみにこのウルミ漆という仕上げは、製造当時の職人が他界しているため、
全く同じものを仕上げるのは不可能と言われています。

こちらは框戸 (建具の四方を木で作るもの) に使用した〝木製引手〟です。
材質はチークの無垢材で、無塗装の仕上げです。
チークは脂分が多いので、使っていくうちに程よい色艶に変化していきます。
これも一般に市販されているものと比べて、手を掛ける部分の巾・深さともに
寸法が大きいので、大変使い勝手がいいと好評です。
毎日、誰もが手を掛ける引手であればこそ、手掛かりを大切にしたいと考えて
います。そして、毎日の使用に耐えうるものでなければならないと思っています。
たかが引手、されど引手・・・。
by mura-toku
| 2011-06-03 18:47
| 建築

