『浜松・素描庵』 の構造材検査1(杉材編)!
2011年 05月 23日
先週末に、『浜松・素描庵』 の構造材検査を行いました。
地元の現場ではよく足を運ぶ、構造材加工専門のプレカット工場です。
向かって左側が事務所棟、右側が加工工場&ストックヤードになっています。
これらが、今回使用する構造用の化粧梁の一部です。
化粧梁の化粧とは、その材料が見えるということを意味し、梁とは水平
方向の構造材のことなので、即ち美しい構造材といったらいいのでしょうか。
家が完成した後でも見える木材なので、予め気を配っておく必用がある訳です。
図面を見ながらどの箇所にどの材をあてがっていくかを、材を転がしながら
目視で判断をしていきます。
割れは入っているか、節の状態はどうか、腐れやとび傷は見られるか等々が
主な判断基準ですが、一部のみ不良箇所が見つかった場合には、材をカット
しておく位置を明示して、材の有効活用を図ったりもします。
このように材の長さが十分取れている場合は、節の部分を使用せず木取りを
行っていきます。というのは、1本の梁材のうち一部だけ見えて残りは見えな
かったり、4面のうち1面のみ見えたり、1面のうちある部分しか見えなかったり
と、ケースバイケースで状況が違うので、材と〝にらめっこ〟することがとても
重要なんですね。
こうして1本1本の梁材に番付 (X・Y軸の通りの交点) を行い、終了となります。
今回使用する材は天竜の山で伐採した杉ですが、木にはそれぞれ表情があり、
色や節の配り方も様々です。
プレカット工場に運ばれた材の多くは、この様な面倒な作業は行われずにその
まま加工されていくとよく耳にします。
以前は大工が直接材を選定していきましたが、昨今の建築事情では割愛される
傾向にあるので、せめて我々がという気持ちで行っていますが、こうした努力が
なかなか報われない実情があるのもご理解いただきたいと思っています。
まだまだお伝えしたいことは沢山あるのですが、この続きはまた次回に・・・。
by mura-toku
| 2011-05-23 11:31
| 建築