雨をしのぎ、陽射しを遮り、影をつくる!
2011年 05月 19日
今年は大変長い期間、花粉症に悩まされました。
外出する際にはマスクを必ず着用し、目薬は手放せない毎日。
夜もマスク着用でなければ、苦しくて目を覚ましてしまうことに・・・。
それでも、ようやくその苦しさから開放されつつあるようです。
しかし、今度はいや~な梅雨の季節が近づいてきました。
湿度が高いことは喉には良いのですが、体が消耗してしまいますね。
そんな季節柄、今だからこそエアコンのような機械に頼らないで、この
梅雨~夏を乗り切る方法を探ってみたいと思います。

先週末に、静岡市の登呂遺跡へ行って来ました。
静岡県人は、学校や町内の旅行で必ず一度は訪ねている有名な史跡。
私も過去に一度だけ行ったことがあるのですが、その時は埴輪(はにわ)
ばかり置いてある土産店が軒を連ね、たいそう賑わっていました。
実に40数年ぶりの再訪です!

茅葺屋根の竪穴式住居は円形で、中は半地下の様な造りになっています。
この形状は、とっさに降る豪雨や蒸し暑い夏の気候から人々を守るために
考えられたのでしょう。急勾配の屋根と分厚い茅がそのポイントです。
手前の男の子を見て分かるように、ヒューマンなスケールで造られています。

中に入ると、ひんやりした空気に包まれました。
外気温 (この日は30度近い) の影響をほとんど受けにくい建築技術を、
先人達はこの当時からマスターしていたんですね。
雨をしのぎ、陽射しを遮り、影をつくるといった当たり前の考え方を、もう一度
振り返ってみる必用があるのではないでしょうか。

現代のデザインでチャレンジした 『浜松・山東庵』 です。
これからの季節は、このデッキに出てみるのも楽しそうですね。

昨年竣工した 『なかよし保育園』 では、杉材のデッキを造ってみました。
広いところでは奥行4mもあるこのスペースは、自然から守られていると
いう感覚があるせいか、大人も子供も十分活用してくれているようです。
今年は、これからどういう気候が待っているのか想像がつきませんが、
知恵を振り絞ってこの難局を乗り越えていかなければなりません。
あまりにも便利すぎる普段の生活を今一度振り返り、適度な環境でも
十分暮らせる器はどうあるべきかを、熟考していきたいと思います。
by mura-toku
| 2011-05-19 17:58
| 建築