暑い夏の過ごし方!
2011年 05月 09日
すでに報道されているように、浜岡原発が停止の方向に向かっている。
私が住んでいる静岡県浜松市はこの原発をコントロールしている中部電力
関内にあり、これから暑い夏に向かって電力不足の問題をどう解決すれば
いいのかが市民の間で叫ばれている。
昨年並みの猛暑ともなれば、東電が実施したような計画停電は避けられず、
実際どのようにこの夏を過ごしていけばいいのか、不安に怯えているようだ。
持続可能な再生エネルギーの代表に太陽光発電が注目されてはいるが、
そう簡単にどの家庭でも設置できるゆとりがあるわけではないだろう。
ちなみに家庭で必要とされている電力を満たすために設置する費用は、
行政からの補助金を受けたとしても、工事費全体のおおよそ9割を個人が
負担しなければならない計算になる。
個人的には、家の中で一番大きなダメージを受けやすい屋根に設置する
ことを考えたとき、将来に渡って相応のリスク (雨漏りや屋根材の劣化)
を覚悟しなければならないと思っている。
ましてや既存住宅の屋根上に設置する場合は、よりリスクが高くなること
が予想されるので、慎重な判断が求められるであろう。

今年竣工した 「大津・洒落庵」 の2階には、大きなバルコニーを設置した。
ごく一般的なバルコニーと違うのは、奥行が約2倍 (2m近く) あることと、
同様の屋根が掛けられていることである。
これだけの広さがあれば、日常行われるであろう洗濯物や布団を干す場と
してではなく、読書をしたり工作をしたりお茶を飲んだりといった、非日常の
過ごし方が出来るのではないだろうか。

1階にも同じ面積のウッドデッキスペースがある。
見上げればバルコニー床のスリットから光が漏れてきて、心地良い。
ここに居ても2階と同様な楽しみ方は可能であるが、何といっても目の前
の庭と繋がっているのが、より五感を刺激させてくれるに違いない。

東側から見上げた外観である。
この一見無駄に思われがちなこうした装置こそが、家の良し悪しを決める
ポイントではないかと私は考えている。
これそのものの魅力は語らせていただいた通りであるが、むしろ私が主張
したいのはこの装置があることによる家の環境の変化である。
夏の直射日光を制御することができれば、部屋の温度上昇は防ぐことは
可能となり、雨の日でも自然の風を導いて室温を下げることが期待できる。
暑い夏の過ごし方が激変する方法ではないだろうか?
現代住宅は屋根の出が短く、中には全く屋根が出ていないものもある。
窓上には庇が無く、太陽の強い光を直接受けてしまうものも見受けられる。
これらはすべてというわけではないが、狭小地の都市に多く見られる。
確かに各部材 (窓や硝子、外装材等々) の性能向上の賜物ではあるのだ
ろうが、果たしてこれで長期優良住宅と言えるのかと私は考えてしまう。
「大津・洒落庵」 は新築であるが、こうした装置は既存の家に付加すること
も十分可能である。
次世代に向かって環境に配慮した暮らし方は、重要なテーマに違いない。
暑い夏に向かって、快適に過ごすためにも一考されてはいかがでしょうか?
by mura-toku
| 2011-05-09 11:52
| 建築