静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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<   2013年 09月 ( 2 )   > この月の画像一覧


 
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 所定の位置にソファが置かれ、日々の暮らしが始まった “磐田・直庵”。

 吹抜け空間であっても、背後の壁を設け、天井高さを抑えることにより、

 落ち着いた雰囲気を味わうことが出来ます。

 包まれるような安心感が、時を忘れさせてくれることでしょう。




 
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 この広間を出たところに、階段があります。

 壁を濃色に仕上げることで、階段や手摺が浮き出ているように感じます。

 もう少し近づいて見てみましょう。




 
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 手摺は、奥の壁から離して取り付けているのがお分かりでしょうか。

 先端部は当たっても痛くないように、角を丸く加工しています。

 形状は握りやすく、しっかりと保持できるディテールを心掛けました。




 
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 階段を設計する上で気を付けなければならないのは、この折返しです。

 せっかくいい感じで手摺に持たれていても、ここで連続した感触にならな

 ければ、折角の苦労も水の泡・・・。

 リレーのバトンタッチのように、スムーズに流れていきたいものですね。

 大事なことをもうひとつ。

 写真では分かりにくいのですが、この濃色の壁厚はなんと3cm。

 こうすることで、ゆったりとした階段幅が確保できるのもポイント!




 
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 所かわって、2階の子供室です。

 空間の説明はさておき、正面の収納に注目して下さい。

 何の変哲もない普通の収納に見えますが、さて何でしょうか。




 
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 収納建具の取手に近づいてみました。

 木製の取手ですが、手で握るところの厚さ (大人でもしっかりと握れる) と

 手が入るところの深さ (手の指が建具と摺れない) が絶妙です。

 使い込むほどに味わいが深まる無垢の木は、何ともいえない魅力があります。




 今回は、手に触れる箇所に絞ってディテールを紹介してみました。

 毎日使うものだからこそ、自然に手を導いてくれるような、さりげない設計を

 これからも継続していきたいと思っています。 

 ディテールが練られた建築は機能だけでなく、美しくもあると信じて・・・。 

 
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by mura-toku | 2013-09-12 17:53 | 建築

 “磐田・直庵”が、住まい手に引き渡されてから早1ヶ月!

 秋の訪れが待ち遠しいこの頃ですが、まだまだ蒸し暑い日が続いています。




 
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 この夏の猛暑から家を守ってくれた大きな屋根。

 日射しを遮り、雨の日でも窓を開けていられる軒内が特徴的な外観です。

 周辺の長閑な環境にマッチするよう、大らかなデザインを心掛けました。




 
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 1階の広間空間を見下ろしたところです。

 南に面した大きな窓 (壁に引き込まれる木製サッシュ) を全開にして、自然の

 風を室内に導きます。

 屋外に設けた木製デッキは、室内の延長として使用可能。

 大きな屋根の下なので雨が降り込みません。

 今回テーマとして取り上げたいのは、室内の湿度コントロール=調湿です。

 この家は、土間から壁・天井に至るまで、その殆んどを珪藻土で仕上げました。

 この写真の大きな壁も、もちろん珪藻土仕上げです。




 
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 その壁を近くで見ると、こんな感じ。

 稚内産珪藻土を70%使用し、それに石灰、フノリ、藁スサをブレンドした100%

 自然素材の塗り壁材です。

 一般に市販されている珪藻土と比較して、3倍以上の吸放湿性能を持っている

 大変な優れもので、常に室内はカラッとした状態を保っている感じを受けました。

 仕上げは、スサの表情を活かしたざっくりとした感じになっています。




 
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 玄関土間は内外とも、同じ珪藻土を用いました。

 耐久性を高めるために、粒度の粗い珪藻土を混ぜています。

 表情は、昔の民家の土間に細かい砂利を混ぜて固めたような感じでしょうか。

 とてもいい、自然な雰囲気に近い土間仕上げの登場です!




 
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 畳の間の床を見たところです。

 右から藁床の畳、松の敷居、同じく松の床材で、全て呼吸する素材です。

 足触りが良く、一年を通してさらっとした感じを味わえます。




 
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 浴室脇の洗面脱衣室ですが、湿気やカビに強い天然のヒバで仕上げています。

 浴室から出される高湿度の水分を吸い上げ、湿度をコントロールしてくれることでしょう。

 この木特有の匂いに包まれると多くの人は癒しを感じますが、虫にとってはこれが

 嫌いに感じるせいか、防虫効果をも持ち合わせています。




 木の家は骨組みだけでなく、室内の仕上げに呼吸できるものを多用することを

 お勧めしたいと思います。

 多少室温が高くても、湿度が下がるだけで人間は感じ方が違うと聞きます。

 たかが仕上げ材かと思いがちですが、見えないところで家は環境をコントロール

 していることを忘れてはなりません。

 わたしたちが日常呼吸しているように、家も息をしています。

 家を長持ちさせるためには、耐震性や耐久性だけではなく、調湿性を見つめ直す

 必要があるのではないでしょうか。



 
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by mura-toku | 2013-09-05 11:13 | 建築