静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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<   2011年 10月 ( 4 )   > この月の画像一覧

 家のプロポーション!


 いつの時からなのか定かではないが、日本の家は上に伸びていってしまった。

 私が社会生活を始めたころ、即ち1970年代後半に建てられた家の大半が、

 部屋の天井は2.4mであったのが、今は2.7mにまで天井が高くなってしまった。

 この30数年の間に、日本人の平均身長が30cmも伸びたということなのか?

 そんなことは、あるわけがない!




 「天井の高い家に育つ子は頭が良くなる」 とか、「天井は低いより高いほうが

 部屋が広くなる」 といったコマーシャルにより、そう思い込んでいるに過ぎないのだ。

 大は小を兼ねるという理論が、家の造り方にまで及んできてしまっては、たまった

 ものではない。

 家は、少しでも広く、そして高ければ、それでいいのだろうか?




 我々建築家は、ウィキペディアによると 『自らの美学的見地・論理的分析にもとづいて

 建築物を設計し、実現に必要な知識や折衝能力・監督能力を有する人のことである』

 とされ、さらに、『計画・意匠面の考案者・著作者であるとともに、実現の上での技術的

 側面を統括・指揮する責任者』 と書かれている。

 建築は、最初に美を追求しなければならなかったはずなのに、造り手側の理屈が優先

 されてしまったことと、住まい手側の要望に迎合したことにより、昨今の多くの住宅は

 目を覆いたくなる状況である。




 
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 これは、先代たちが知恵を振り絞って建てた普通の民家である。

 なんともプロポーションの素晴らしい、簡素な表情を持った家なのだろう。




 
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 正面にまわって見た瞬間、息を呑む美しさに思わず引き込まれた。

 たて・よこ・たかさの関係が絶妙で、私にとっては完璧に近い姿である。

 これほどの感性を持ち合わせていた日本人なのだから、できればもっともっと古い

 民家を訪ね歩き、肌で感じ、そして考えてほしいものだと、思う次第である。




 
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 一見して、平屋建てかと見間違うほどのこの家は、遠江・奏庵(自邸)である。

 私がプロポーションに拘る理由は、他でもない。

 家は慎ましく、ひっそりと佇むもので、決して誇ってはいけない。

 日本の気候風土を考えた屋根のかたち、その表情は優しく、威圧してはいけない。

 


 
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 いい意味で、まちのランドマークになるのもいい。

 まちのなかで、子供たちに語り継がれるような存在になれば、本望である。

 建築家はあまり自己主張をせず、建築を社会資産のひとつであるという認識をもって、

 日々の仕事に取り組むべきなのではないだろうか。
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by mura-toku | 2011-10-28 18:41 | 建築

 遠州バザール報告!


 10月22日(土)~23日(日)の2日間、浜松市総合産業展示館で

遠州バザール〟が開催されました。

 地元・遠州の良さを再発見できる 「衣・食・住」 によるコラボイベント

 ということで、延べ5000人を越える来場者が会場を訪れました。




 
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 会場を入ってすぐ目に飛び込んでくるのは、この巨大な天竜杉の丸太。

 天井から吊り下がっている大きな写真は、杉の柱と梁材によって組み

 上がった住宅の骨組みを表わしていました。




 
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 自分の家も、出来ればこの木で建てたいと思わせる演出は、ここにも
 
 見受けられます。

 山積みになった杉の柱は、FSC認証材といって森林管理協議会(FSC)

 が評価・認証するもので、今回はこの柱が5名(最終的には3名増やし、

 8名)に当る抽選会が行われました。




 
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 こちらが住に関するメインコーナーで、地元の大工・工務店が紹介されて

 いるパネルが展示されました。

 盟友である水﨑棟梁からの依頼で、弊社も協力出展させていただくことに

 なり、我々のパネルだけ何故か横長に・・・。




 
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 これまで互いに仕事を積み重ねてきた足跡を、写真パネル・模型・雑誌・

 漆喰壁塗り見本等々で紹介させていただきました。

 弊社が展示した主な作品は、《遠江・奏庵》、《浜松・山東庵》、《現代民家・宇》、

 《浜松・丘の上の家》ですが、皆さんの好みは様々で分かれていましたね。

 ただし〝びおハウスM〟は、旬の話題とあって多くの方々から説明を求め

 られ、ゆっくり昼食を取る時間もないほど忙しく対応に追われるはめに。




 
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 それでも主催者のカメラが寄ってきたら、思わずこの笑顔に。

 ああ、それにしても心底くたびれ果てた2日間でした。

 

 
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by mura-toku | 2011-10-26 18:37 | イベント

 〝びおハウスM〟が、今月の22日(土)・23日(日)に浜松市総合産業展示館で

 開催される 『遠州バザール』 に出展します。

 前回のブログで紹介した〝びおハウスM〟ですが、こちらの予想を遥かに上回る

 問い合わせの多さに戸惑いながら、連日そのプランニングに追われています。




 土地と建物を合わせた総費用に限りがある建主にとっては、上質な住まいが手頃な

 価格で手に入るということで、その魅力を直接聞いてみたいと思われているのかも

 しれません。

 それは、これからの時代を見据えた上で、これまでになかった新しい解釈と新しい

 技術を用いて提供する、21世紀型モダンデザインの家なのです。




 茅葺屋根の下で暮らす快適さを、現代の材料を使用して実現できないだろうか?

 太陽エネルギーを利用して、家全体の24時間換気を実現できないだろうか?

 京の町屋に見られる簾や簾戸を、現代の住まい方に合わせて使えないだろうか?

 光と風を呼び込む煙突(チムニー)を、現代の住まいに溶け込ませられないだろうか?

 屋根と完全一体型になった美しい太陽光発電は、ないものだろうか?



 
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 こうしたものを全て盛り込んだ新しい住宅、それが〝びおハウスM〟。

 この目で確かめたいと思われた方は、『遠州バザール』 へ足を運んでみて下さい。

 衣・食・住の全てが揃うイベントですので、ご家族で楽しめますよ!


 
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by mura-toku | 2011-10-12 18:38 | イベント

 3.11の東日本大震災によって、多くの国民がエネルギー問題に関心を

 持つようになりました。

 それは電力だけでなく、ガスや石油に至るまで、ありとあらゆるエネルギー

 を極力消費しないようにと、節約が当たり前の時代に入ったように思います。



 我々建築家は、こうした時に何が出来るのか?

 いや、何をしなければならないのか?

 ということを、ずっと考え続けてきました。

 この半年の間、同年代の建築家や研究者たちと激論を交わし、ようやく

 ひとつのあるべき考え方に辿りつきました。



 私を含めた8人のメンバーは チームおひさまと呼ばれていて、全国の

 工務店を束ねている 町の工務店ネットと共に、先月東京ビッグサイトで

 開催されたジャパンホームショーでびおハウスを発表しました。

 この〝びおハウス〟、実は今年度のグッドデザイン賞を受賞したんですね。

 

 私は、この考え方を具体的に盛り込んだびおハウスMの開発に、ここ

 数ヶ月間エネルギーを費やしてきました。

 スタイリッシュな外観に新素材を織り交ぜ、自然エネルギーを積極的に取り

 込みながら温熱環境をコントロールする新しい住宅は、一目見てこれだと

 分かるデザインに仕上げています。

 
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 「建築だけで何が出来るのか」 を徹底的に追求した結果、今の時代に合った

 耐久性や快適性、可変性や建築コストもクリア出来る提案になっています。

 日本の気候風土に即した形態を基本としながら、無駄なものを極力排除した

 ことで、陰影のある豊かな表情を持つ建築になったようが気がします。

 
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 現在、複数の物件が進行中の〝びおハウスM〟。

 実物を皆さんにお披露目するまで、そう時間が掛からないかもしれません。
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by mura-toku | 2011-10-04 18:26 | 建築