静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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<   2011年 02月 ( 9 )   > この月の画像一覧


 最近の新聞記事で目に留まったのが、これ!



 
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 「やはりそうであったのか!」 と思わず納得してしまいました。

 〝体温が上がると免疫力も向上〟と小見出しに書かれているように、確かに私自身も新居へ

 移ってからは、あまり風邪を引かなくなったような気がします。

 今年の冬は、温暖な浜松でも積雪があったり、水道管が凍結したりと、ずいぶん寒い毎日の

 連続でしたが、我が家は輻射式床暖房のおかげで朝でも室温が20度近くを保っていて、

 本当に助かりましたね。

 室温の変動が何処に居てもあまりないというのは、一度経験してしまうと外出が億劫になって

 しまうほどなのです。



 
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 こちらは今から2年ほど前に竣工した 『浜松・川望の家』 の吹抜け空間を写したものですが、

 床が冷たくない環境をつくるだけで、これだけの大きな空間を構築することが可能になります。

 家の中で家族が今どこにいるのか、何をしているのか、子供が家の中を走り回るのを目で追う

 ことができ、犬猫が心地いい場所で寛いだりする姿を見ながら暮らせる家。

 少し暖かくなってきた今こそ、忘れてはならない家の温熱環境をしっかり考えてみたいものです。




 
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by mura-toku | 2011-02-25 18:59 | 建築

 これで見納め!


 日本列島が極寒に冷え込んだ先月の中旬に、京都を訪れました。

 その日は 「大津・洒落庵」 の完成見学会が朝から開催されていたのですが、その前にどうしても

 見ておかなければならない建築があったため、午前中に立ち寄ることに決めていました。

 それは、私が社会に出る前から憧れていた建築家・吉村順三設計の 『ホテルフジタ京都』 。


 
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 こちらの写真は昨年の秋に加茂川沿いを散策したときのものなので、歩いているどこかの男性を

 見ても分かるように良い気候だったと記憶しています。



 
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 このホテルの一番の見所は、何といってもこの地階へと繋がるドライエリアではないでしょうか。

 加茂川の土手を歩く人からの視線を遮りつつ、凝縮された日本文化を演出したこの外部空間は

 何度訪れても気持ちが落ち着き、どこか懐かしさをも感じてしまう魅力が潜んでいます。



 
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 最後の記念にと思い、この庭を眺めながら名物のエビピラフを食してみました。

 ホテル特製というだけあり、味はもちろん、質量ともに大満足!

 この味も、そして建築も、心の中に大切にしまっておかなければ・・・。
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by mura-toku | 2011-02-23 18:52 | 建築

 先週末の穏やかな日和の中、 『島田・茶庵』 の上棟が行われました。



 
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 周囲の山並みや茶畑の風景に溶け込むよう、大地に根付く大屋根スタイルを採用しています。

 これまでも 「遠江・奏庵」 や 「浜松・山東庵」 をはじめとした大屋根の家は数多く手掛けてきましたが、

 今回は屋根を日本瓦で葺く予定になっています。

 こうした古き良き日本文化が伝承されている地域には、甍の屋根が良く似合うでしょうね。



 
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 屋根を支える構造部材を組み上げている途中の段階ですが、規則正しく配された屋根の木組みは

 何度見ても美しく感じます。

 土台・柱・梁桁の構造材は全て4寸巾 (120mm) の天竜材によるもので、静岡県の[ しずおか

 優良木材の家総合支援制度
] に当選されました。



 
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 夕方に、またもやSL列車が通過しました。

 さすがに週末は多くの観光客が乗車されるようで、いつもよりも長い列が連なっています。

 今度は列車に乗って、車窓から眺めてみようかな!
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by mura-toku | 2011-02-21 14:10 | 建築

 先週予定通り基礎工事が完了し、現場は上棟へ向けて作業が進んでいます。



 
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 一体打設されたコンクリート (基礎の床と立ち上がり部分を1回の生コンで打ち上げること。

 通常の2回打ち、即ち打ち継ぎがある場合に比べてコンクリートが一体となり強度は高い。)

 の上に、土台や大引き・床受け材 (すべて天竜檜) が据付けられました。

 井桁上に組まれた床組みは上からの荷重が分散され、理に適った工法になっています。

 電気や給排水の先行配線・先行配管も忘れてはいけません。



 
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 床下換気部材は、幣所の場合ステンレス製の一体プレス型プレートを採用しています。

 多くの現場で見受けられる合成樹脂やゴムの製品に比べて耐久性が抜群だという点と、

 有効換気面積が長期優良住宅基準の1.4倍以上確保されているという点がその理由です。



 
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 床を張る前に忘れてはならないのが、断熱材の充填です。

 発泡ポリスチレン型断熱材で、木組みの間にピタッと嵌っていく施工性が優れていますね。




 
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 断熱材が全て充填されたら、その上に張られていくのがこの厚手の床用合板です。

 厚さは28mmあり井桁に組まれた材に直接張っていくので、剛床 (床自体の面剛性が高く

 歪みにくい丈夫な床) の床下地が出来上がります。



 
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 現場には、上棟で組み上げられる天竜杉の構造材の一部が搬入されていました。

 先月製材所で吟味した材が指示通りに加工されていて、あとは組むのを待つばかりといった

 ところでしょうか。

 複雑な加工のほとんどは機械によるものですが、大事なことは加工する前の良材の選定と

 化粧 (完成した時に見えてくる材) の部分をどう見せていくかの選別なんですね。



 
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 実はこの現場、すぐ脇にSL列車が走るのです!

 平日は1日1往復なのですが、ジャストタイミングでシャッターを切りました!

 土曜日の上棟は、観光客で賑わう乗客も写してみたいものです。



 

 


 
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by mura-toku | 2011-02-18 10:33 | 建築

 鉄の骨!


 昨年から読んでみたいと思っていた本がこれ、 「鉄の骨」 。


 
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 建築や土木工事に携わる、ゼネコンの談合疑惑をテーマにした作品である。

 作家は 「果つる底なき」で第44回江戸川乱歩賞を受賞された、池井戸潤(いけいどじゅん)。

 現代社会の闇の部分を鋭くえぐりながら、其処に潜んでいる問題点を掘り下げていく展開には

 いつもスリリングな結末が用意されていて、読者にはたまらない興奮を与えてくれる。


 今回読破したこの本には、現在忘れ去られようとしている〝談合〟を必要悪と考えるその裏側に

 どんなことが潜んでいて、私たち日常の生活にもそれは継続して行われているのではないかという

 仮想現実が見事に描かれている。

 一方で政治家が関与するマネーロンダリング (資金洗浄) 疑惑の解明に検察が動いたり、

 ゼネコンへの融資の調整が経営査定のみにより決定される金融機関の内部事情があったり、

 ゼネコンマンとエリート銀行マンのそれぞれの立場により築かれていく価値観の相違だったりと、

 話は指名入札という大舞台の中でこれらが複雑に絡み合いながら進んでいく。

 建築や土木関係の方は勿論、とくに関わりのない方も是非お読みいただきたい1冊である。


 
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 いつも、買ってからすぐに表紙を取って読み始めるので、買う前は気付かないものなのだが、この本の

 剥き出しの装丁がとても素敵なのだ。

 「鉄の骨」 というタイトルに相応しいデザイン。我々建築に携わる者はこれをすぐに〝鉄骨〟と呼んで

 しまいがちだが、あえて間にの一字を挿入することで私は脆さを強調したかったからなのでは
 
 ないかと、これを見ながらしばし考え込んでしまった。

 しばらく池井戸潤の世界に染まっていくかのように、次の本を手に取りすでに読み始めている。
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by mura-toku | 2011-02-16 11:39 | 趣味

 
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 先月竣工した 「大津・洒落庵」 の外観です。

 よく見ると、外壁に様々な窓が取り付いていますね。

 横に動く引き違い窓、外へ突き出す滑り出し窓、木格子が付いている窓等々、開口部には

 その目的に応じて動くタイプが違うものが用意されています。

 設計をする際には、それらの窓をどの位置にどういう高さで、またどのような大きさかを考え

 決めていきますので、外観を見ると窓が一様でないのがお分かりいただけるかと思います。



 
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 こちらは、この家の一部屋を写したものです。

 地窓 (床に接するように設けた窓で、通常外へは出られない窓のこと) が二面に付いています。

 左は庭を眺めるための窓、右は風を導くための窓と、目的はそれぞれあるわけですが、実はこの家

 左の窓は南面に取り付いています。ではなぜ、こんなに小さい窓に決めたのか?

 光は十分なのか、外へは出られなくても大丈夫なのかといったことが、気になりませんか?

 答えは、何の問題もありません。その理由は、正面に隣の家が迫っていて景色が優れないことや、

 外へ出られる掃き出し窓が別に用意できていて光も十分入ることが予測されたからです。

 何も南の窓だからといって、大きいものを付ければいいというわけではないんですよね。



 
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 地窓の上には、間接照明を設えました。わずか3畳の小間ですから、天井に既製の照明器具を

 取り付けるなんてことは、してはいけませんね。

 塗り壁を反射した光は部屋を広く見せる効果があり、心も落ち着く空間に仕上がりました。



 
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 少し左へ目を移すと、掃き出し窓の内障子が見えてきます。

 地窓との対比、光の入り方・照らし方、仕上の素材感がよく分かります。



 
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 掃き出し窓から屋外木製テラスへと繋がる様子は、日本建築の縁を連想させます。

 テラスと同じ大きさで設けてある2階のバルコニーも、この空間に溶け込んで広がりを感じさせて

 くれていますね。

 いつの間にか日本の家は性能を追求するあまり、数値の良し悪し (たとえば断熱性の高い家は

 数値が高いので良い家という考え方) だけで判断しがちになってはいないでしょうか?

 毎日家族がストレスのない暮らしをするためには、こうした性能だけではない、暮らしの用に耐え

 うる耐用性も大切な要素ではないかと思うのですが・・・。

 

 

 
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by mura-toku | 2011-02-14 11:33 | 建築

 「浜松・憩庵」 の工事が着々と進んでいます!

 

 
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 屋根の上には、ソーラーシステムのための強化硝子が載っています。

 ソーラーといっても、最近流行の太陽光発電ではありません。

 屋根で受ける熱 (正確には金属屋根直下の高温空気) を床下へ送り、家全体の室温を底上げする

 大変優れもののパッシヴソーラーシステムのひとつなのです。

 これにより、家のどこに居ても寒くなく、板張りの床でもスリッパを履かずに過ごせるのが有難いですね。

 我が家も同等のシステムを導入していますが、ちなみに今朝の室温は20度を指していました。



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 今度は室内、中でも洗面室を紹介しましょう。

 右手の写真のライトで光っているところの壁が、上へと延びているのがお分かりでしょうか?

 ここを覗いて見上げたところが、左の写真です。

 そう、ここは天窓が付いていて、北側の部屋なのに1日中明るい空間になっているのです。



 全面に張られている板は幣所定番の国産無垢材で、色良し・香り良し・肌触り良しの3拍子に加え、

 耐腐朽性・耐蟻性にも優れているというシロモノ。

 拙宅でも浴室に同じものを張っていますが、7年経った今でも当時のままの表情を保っています。

 木が持つ生命力は本当に素晴らしいもの。

 家づくりには適材適所を忘れてはなりません。

 間違った選択だけは避けなければならないことを、肝に銘じておきましょう!
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by mura-toku | 2011-02-09 18:49 | 建築

 昨日、2008年の春に竣工した 『浜松・山東庵』 を訪問しました。

 
 
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 第21回静岡県住まいの文化賞最優秀賞(静岡県知事賞)と2008木の住まいデザインコンクール

 最優秀賞をW受賞した当時の佇まいです。



 今回訪問させていただいた目的は、現在地元の工務店(株)アトリオさんとコラボレーションしながら

 進めている浜松市染地台(通称:きらりタウン浜北)での設計重視プロジェクト 「伎倍の森コミューン

 に建設予定の建主ご家族と、工務店社長・スタッフをご案内するためです。

 大屋根 (1階から2階までの家全体を大きな屋根ですっぽりと覆うスタイルの屋根のこと) を希望

 されている建主から、幣所設計の実例を見学されたいとの要望にお応えしました。



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 訪問の前日までは極寒の日が続いていましたが、当日は雲ひとつない小春日和。

 ソーラーによる床暖房の効果も相まって、室内は熱気ムンムンの状態でした。


 体感された感想は、「実際のお宅を見させていただき、具体的なイメージがつかめました。」 とか

 「家のどこに居ても家族の気配が感じられるのがいい」 と言ったように、あらためて建築は3次元の

 世界であることを認識できたように思います。

 また、実際の仕上げを大きな面積で確認できたり、木特有の芳香を感じていただいたりすることも、

 見学ならではの収穫だったのではないでしょうか。

 何よりお子さんが家中を楽しく探検されていて、帰りたくないと住まい手に涙を浮かべながら訴えて

 いたのが、設計者としてはとても嬉しく印象的でした。


 
 住まい手との歓談、自然とのふれあい、機能だけではない情感を味わう体験。

 文字や画像だけでは理解しつくせないのが、建築というものです。

 ご自分の体で感じながら、長く居ても飽きのこない、四季の移ろいを感じる心地良い建築とは何かを

 探し求めてみることをお勧めします!




 

 
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by mura-toku | 2011-02-04 11:38 | 建築

 前回の構造材仕分けの第2弾、柱編のご紹介です。

 最近の住宅は構造材を表わし (そのままの姿を仕上げとして見せる) にすることが多くなってきたため、

 それに伴う仕分け作業にかなりの時間を要するようになってきました。

 この日も、水平部材として使用する梁・桁材の仕分けが終了したのが、午後の3時過ぎ。

 すでに疲労困憊でしたが、このあと場所を移して柱の仕分け作業を行ったのでした。



 
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 柱全数量の約1/3が化粧材なので、かなりの本数に上ります。

 柱の表情を1本1本目視しながら決めていくため、すべての材を横に並べなければなりません。



 
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 図面を見ながら柱の向き (たとえば正面は見えるが、向かって右側は建具がくるので開ければ見える

 とか) を決め、節や割れを考慮した上で、丁寧に材を決めていきます。



 
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 M棟梁に仕事を依頼したときには、化粧の柱材は吉野産と決まっています。

 それは材に対する棟梁の拘りがそうさせているのかもしれませんが、材木店のY部長もかなりの拘り派

 で あることに違いありません。

 「柱は家の顔です!良材を安く仕入れることが我々の務めなので、そのための努力は惜しみません」

 と、毎回コストパフォーマンスの高い良材を提供してくれるのは本当にありがたいことです。



 
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 柱の小口 (切断面) を見れば、良材かどうかは一目同然。

 同心円に広がる木目は均一で、しかも目の間隔が狭いのがお分かりでしょうか。

 同じ大きさの柱でも樹齢が全く違う、この目の詰まり具合の良さが吉野材の特徴と言えるでしょう。



 
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 ちなみに、最近の住宅で多く使用されているのがこうした集成材。

 材料を薄く引き割ったものを接着剤で貼り合わせたもので、柱や梁に利用されています。

 そのほとんどが欧米からの輸入材で、気候風土の影響からか白っぽい色合いのものが多く見受け

 られます。はたして単純にコストだけの理由で、選定していいのでしょうか?

 高温多湿の気候に合う材でなければ、長期の使用に耐えうることが困難ではないかと私は考えます。

 日本の林業再生が叫ばれている今日、日本の未来のためにも国産材を使おうではありませんか!
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by mura-toku | 2011-02-01 16:15 | 建築