静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ:建築( 207 )

Bio森の家

先日、私の地元浜松で仕事をされている 『入政建築』 の完成現場を訪問した。
以前紹介したように、この住宅はかれこれ1年半の時間を掛けて、MOON設計の村田さんの
協力の下、独自のいりまさスタンダードハウスを構築してきた集大成の賜物である。
一昨日から昨日にかけて、『入政建築』 主催の完成見学会が行なわれた。
あいにくの天候にもかかわらず多くの来場者が参加され、皆さん熱心にこの家の説明を聞き
ながら納得した面持ちで会場を後にしたようだ。

実は、この取り組みには影の仕掛け人がいる。
写真左側がその人、(有)小池創作所の小池一三さんである。
私が社会人1年生からのお付き合いなので、もう30年以上にもなる。
『入政建築』 の新野社長とは昔、小池氏とともに同じ職場に勤めていたということもあって、
今回このようなお手伝いをさせていただくことになった。

b0111173_11475330.jpg


住まいに関するありとあらゆることを、提案ならびに紹介しているwebサイトがある。
住まいネット新聞「びお」がそれであるが、この中のひとつにスタンダードハウスの取り組みが
掲載されている。
建築家4名による、それぞれオリジナリティーに溢れた提案型住宅になっているので、興味の
ある方はhttp://www.bionet.jp/をご覧下さい。
ちなみに普段の小池さんは、近くにあるものを何でも遊び道具にしてしまう、とても愛嬌のある
人でもあるんですよ。(何をしようとしているんですかね?)

b0111173_11571515.jpg

[PR]
by mura-toku | 2008-11-10 11:58 | 建築
間もなく竣工を迎える「浜松・川望の家」。
今回は、外部に使用した仕上げ材について解説したいと思います。
なかでも外壁は一番目に付くところ!
浜松では初お目見えの 『bioシェル(ほたて貝殻入りの左官材)』 が、眩しいくらいに
輝いて見えます。
これまでは、室内の壁や天井に 『ほたて漆喰壁(内装用塗り壁材)』 を事務所の定番
として使用してきましたが、外での使用は初めてです。
最近注目されつつある遮熱性も期待されるこのbioシェルは、左官職人の気合が入っ
た仕事のおかげで、想像以上の仕上がりとなりました。
太陽光が当たるとキラキラと輝きますので、ご覧になりたい方は午前中がお勧めです。

b0111173_18573918.jpg


もうひとつの外壁が、国産の杉板です。
木はすぐに傷んできたり火災の心配があったり、いざ使おうとすると躊躇してしまうこと
もあるのではないでしょうか。
使用するにあたっては当然こうしたリスクはつき物ですが、やはり自然材料(特に木材)
はこれを何倍も超える魅力を持っています。
一口に杉材といっても、当然ながらピンからキリまであるわけで、外部に使うなら丸太
の芯材の赤身のみを板材に加工し、環境に配慮した水性塗料を塗るのが良いでしょう。
耐久性を考慮するなら、水の切れがよい竪張りにしておけばなお安心です。
また、木製の手摺も外部に使用する場合は、注意が必要です。
材料の程度や大きさ、水の切れ、乾燥状態の有無は言うまでもありませんが、写真の
ように下から見上げたときにどの程度見えるのかも、一緒に考えておきましょう。
近づいたり離れたりした時に、見え方がどう変わるのかを確認するのも面白いのでは。
「浜松・川望の家」の見学については、http://www2.wbs.ne.jp/~muratoku/
をご覧下さい。

b0111173_1858583.jpg

[PR]
by mura-toku | 2008-11-07 18:58 | 建築

東からの訪問者

昨日、久しぶりに横浜から仕事仲間が来浜された。
昨年から、地元の工務店〝入政建築〟と一緒に独自のスタンダードハウスを構築し、
ようやくその第1棟めが完成したものを見に来られたのである。
MOON設計の村田さんといえば、業界では知る人ぞ知る有名人で、なんとはるばる
鹿児島まで毎月仕事で通われるほど超多忙の中、わざわざお越しいただいたのには
訳がある。
実は、彼女(写真右側)にもこのプロジェクトに最初の段階から参加いただいていて、
彼女無しではこのスタンダードは成立しなかったのだ。
大変分かりにくいのかも知れないが、私と同じ設計事務所を主宰されていながら、
手掛けられる仕事はまったく異なっている。
多くの事務所は建主からの委託を受け設計の仕事をするのだが、彼女の場合はその
システム(たとえば、ひとつの住宅のルールを決めていく。それは基準寸法だったり、
屋根の角度だったり、効率のいい仕事を考えたりと実に守備範囲が広い。)を構築して
いくのを仕事にされている。
私にとってはこういうプロジェクトを進めていくにあたり、必要不可欠な相棒なのだ。
今日は、その竣工現場で現場を担当された入政建築の福村さん(写真左側)と工事中
の話に花が咲いていた。
b0111173_1202194.jpg

[PR]
by mura-toku | 2008-11-07 12:02 | 建築

西からの訪問者

b0111173_1019667.jpg
昨日、「十床の遊」の構造材打ち合わせのため、西日本から関係者が来浜された。
左からコボット(株)の田中さん、(株)サカモトの坂本さん、(協)智頭木材ハウス産業の
中村さん。竣工間際の「川望の家」を見学してもらった。
田中さんとは十数年のお付き合いで、この現場も床材や階段材をはじめ良材を供給して
もらっている。坂本さんは鳥取県の智頭というところで、地元の杉材を中心にやはり良材
を扱われている。中村さんはその良材を加工される代表の方で、今回が初顔合わせ。

b0111173_10345318.jpg

その後、自宅「遠江・奏庵」を見学してもらった。
田中さんには、設計段階から我がことのように親身になってもらい、本当にありがとう。
皆さんの協力があったからこそ、時間が経つにつれ本物の木の味が出てきているのを
毎日実感しています。『木って、やっぱりいいものですよね』
ちなみに写真左の坂本さんが標準身長で、家が小さいわけではありません。

b0111173_10482554.jpg

最後は、事務所に戻って本日のメインイベント「十床の遊」の打ち合わせ。
手前の構造模型と図面をにらめっこしながら、延々3時間近くの長丁場となりました。
打ち合わせも終盤に近づき少々お疲れ気味の様子ですが、実に中身の濃い内容の話
が出来たと思います。左端の水﨑棟梁にも参加いただき、皆と思いが共有できました。
遠方から日帰りで来られて、さぞかしお疲れでしょう。本当に、ありがとうございました。
今度は、我々が建主と一緒に産地を訪れます。皆さん、期待していますよ~
[PR]
by mura-toku | 2008-11-06 11:07 | 建築
来たる11月15日に、浜松市内でオープンハウスを開催します。
夫婦共働きの若い世代の家族が住む家です。
市内では平均的な60坪強の敷地に、延べ床29坪(4つの個室とDK、吹き抜けのある広い
L、2つの大きなロフト)の家を実現しました。
小さい家ですが見所は満載!というわけで、これから数回に分けて解説をしたいと思います。

まず目を引くのは、外観です。片流れ屋根と生成り色の外壁に、全面板張りの箱がドッキン
グしたコントラストがこの家を特徴付けています。
たとえ住宅であっても、町や社会に対しては長い目で見れば資産のひとつであることに変わ
りありません。
控えめでありながらもひとつの主張を持った顔であることが、自分の住む町を生き生きとさせ
ることに繋がるのではないでしょうか。

写真の右手には川が流れています。その川の流れを感じながら、夏には花火が見れるよう、
大きなバルコニーを道路に向かって張り出させました。
高台の立地条件は、風が1年を通して強いことです。家の通風は、最初から計画的に窓の配
置をおこなえば申し分の無い風が家の中を吹き抜けていきます。

これに対し、冬の強い季節風は厄介です。この土地は、台風並みの強風が予測されました。
この風を右から左へ吹き流す目的で、屋根の角度や向きを決定しています。
気持ちのいい秋風を体感しながら、川の流れをご自分の目で確かめてみてください。
この見学会の詳細については、http://www2.wbs.ne.jp/~muratoku/をご覧下さい。
b0111173_11205586.jpg

[PR]
by mura-toku | 2008-11-05 11:23 | 建築
 「質の高い家を手頃な価格で建てられる」ことを目的に始まった新しい建築運動。
 それが、現在4名の建築家によって取り組まれているスタンダードハウスです。
 僭越ながらこのなかの一人として手を挙げさせていただきました。
 その名も、『Bio森の家スタンダード』。

 国産の無垢材をふんだんに使用した構造体、羊毛断熱材やケナフボード、国産材の床壁
材、ほたて漆喰壁や水性ペイントを主体にした仕上げなど、どれも呼吸する家づくりにこだわ
った内容になっています。
 これらは耐久性や耐震性、省エネルギーやシックハウス対策も視野に入れ、それぞれの
一定水準を確保するよう、仕様に組み込んでいます。

 一方で開放的な住まいを実現するためには、それをサポートする温熱マシンが必要です。
 そのひとつが、自然エネルギーを利用したソーラーシステムによる床暖房。家全体をマイ
ルドに包み込む暖かさが得られ、室内温熱環境のバリアフリーが実現しています。

 私が設計する上で、日常こだわっている点のひとつが階段です。
 昇り易く降り易い、滑りにくい、狭く感じない、握りやすい手摺、気持ちよく移動が出来る。 
 こんなあたり前のことが、はたしてきちんと考えられ、造られているのでしょうか?
 『Bio森の家スタンダード』では、コストの点も踏まえながら、これからの高齢化時代に対応
できるものを考えてみました。

 これらのプロデュースをしていただいているのが、小池創作所の小池一三さんです。
 全国からこうした取り組みに賛同し、積極的に参加している工務店ネットワークの事務局も
務めておられ、住まいに関する情報サイトも立ち上げています。
 住まい全般に関することはもちろん、「スタンダードハウス」や「階段」に関することも発信し
ていますので、住まいネット新聞「びお」http://www.bionet.jp/をご一読下さい。
[PR]
by mura-toku | 2008-08-21 17:47 | 建築

浮遊間 小噺し

「この家、思っていたよりも中が広いわね。」
「外観は小さく見えるのに、室内はとても大きく感じるなあ。」
「表の通りからと裏の空き地からとでは、まったく違う表情の家に見えるよ。」
これらは、昨年の晩秋に開かれたオープンハウスの来場者からの感想である。
そのどれもが的確にこの家の特徴を捉えていて、設計者としては少々気恥ずかしい思いに駆られたが、反面嬉しい手応えを感じずにはいられなかった。

住まいはそこに住む家族のためであるとともに、社会的資産のひとつでもある。
故に、私はできる限りつつましい表情で、威圧感を与えないほうが望ましいのではないかと思っている。まちに対しては、常に敬意を払った小さな顔でありたいと。

浮遊感は、交通量の多い表通りに対して遮音面やプライバシーを配慮した閉じた外観となっているが、少しでも柔らかい印象となるようカーブを描いた壁とガラスブロックを多用することで、優しいデザインを心掛けた。
正面の玄関エリアとその上のエリア(普段余り使用しない和室がある)が遮音目的のバッファーゾーンとなることで、主要な室内空間は表の喧騒を感じさせないくらいとても静かな環境がつくられている。
そのことで、この部屋が面した裏の空き地側(南面)には季節を感じさせる樹木を植え、自然を身近に感じられるデザインとなるよう配慮している。
この表と裏の言うなればギャップが、室内空間をより広く見せる要因のひとつになっているのだろうか。

b0111173_632797.jpg











浜松・浮遊間の表側の表情を見る。
閉じたデザインでありながら、柔らかい印象となるよう配慮した。

b0111173_6331659.jpg











浜松・浮遊間の裏側の表情を見る。
庭に対して開いたデザインは、まちに向かっての顔になる。

b0111173_634482.jpg











1階の寝室から南側の庭を見る。
落ち着いたインテリアでまとめられた部屋には、静かな空気が漂う。
[PR]
by mura-toku | 2008-07-09 06:43 | 建築