静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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カテゴリ:建築( 207 )


 "京都・侘楽庵" の茶室に用いる床柱選定のために訪れた老舗銘木店。

 工事に携わっている工務店社長の紹介ではあるが、恐る恐る店先へ。

 
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 如何にも老舗といった構えに一同、緊張感が漂う。

 建主ご家族と工務店社長を含め、皆の顔が引きつっているのがよく分かる。

 それもそのはず、この世界は一流寿司店に行って好みのものを注文し、後で

 お勘定という流れにやや似たものがあるからだ。

 店主に図面を見せ、設計意図を説明してから見繕っていただいたものがこちら。




 
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 一目見て、やはり老舗の店主は違う!

 樹種の豊富さはさることながら、こちらの意図を汲み取った選定には脱帽である。

 この段階で何がいいか、皆さんの意見を伺おうと思っていたのだが、まずは私の

 考えを聞きたいという。

 「私はもう決まっています。これしかありません。」 と述べた後、指をさした。




 
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 そうしたら間髪入れずに建主の奥様が、「私もそれが良い!」 と。

 息が合うというか、好みが一緒というのは何とも気持ちが良い。

 一応、数本の候補を絞っていき、最終的に "椿の曲り" に決定した。

  この柱は、私が当初描いていたものに一番近いものだったのだが、恐らく店主は私たち

 (というか私の眼力) を試したかったのだろうと、想像してしまった。

 (ちなみに、予想に反して大変お買い得な品物だった)




 久しぶりの真剣勝負に、心地いい疲労を感じた。

 今の時代に、こんな幸せな仕事をさせていただいた建主並びに工務店には、ただただ

 感謝の気持ちを申し上げたい。

 無味乾燥な社会だからこそ、直接顔を合わせて物を見る大切さを改めて学んだ気がする。

 次回は、完成の姿を紹介したいと思う。



 
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by mura-toku | 2015-04-27 10:51 | 建築

 先日、工事中の現場 “京都・侘楽庵” へ行ってきました。

 雪が時折ちらつき、現場は相当冷え切っていましたが、そんな中でも工事は

 着々と進んでいて一安心。

 家の骨格が現場シート越しに現れている姿を見て、さらに安心しました。




 
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 京都は、あらゆる地域で条例が定められていて、屋根の角度や寸法・外装材の

 仕上げや色合い等々を守らなければ許可が下りません。

 今回は、そうした決まりをクリアしながら美しく表現できるかが課題でした。




 
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 1階の畳の間 (8畳の茶室) の進捗状況です。
 
 断熱材が壁・天井に充填され、構造上必要な耐力壁として合板が張られていました。

 左側の窓に向かって緩やかにカーブを描く天井ラインの正確な位置を決めるのも、

 監理者として大切な仕事のひとつ!

 図面と照合しながら、現場の板材を 「こんな感じで曲げて」 と指示を出しました。




 
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 これは、2階の畳の間 (4畳半の寝室) の状況です。

 傘を広げた感じに見えることから、傘天井といいます。

 中央に向かって天井が高くなることで、通常の部屋よりも広く感じられました。

 これからの仕上がりが、とても楽しみです!




 今春の完成に向けて、現場は動いています。

 次回は、この家にも納入される銘木 (床柱などの特別な建築材) について、

 ご紹介いたしましょう!
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by mura-toku | 2015-03-09 17:10 | 建築

 
 
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 昨年完成した平屋建ての “浜松・寛帰庵” をご紹介します。

 閑静な住宅地にひっそりと佇む立姿は、見るものを安心させます。

 屋根は金属板、外壁は板張りと漆喰壁で特別な仕上げは施していません。

 屋根面には太陽熱利用のための硝子が設置され、家全体を床暖房しています。




 
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 玄関前の屋根付きスペースです。

 異常気象による風雨から身を守るため、スペースを囲っています。

 一部木格子にしてあるのは、日射と視線のコントロールを行うためです。

 ここは、自転車などが置ける多目的スペースとしての役割も果たしています。




 
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 玄関から広間を見通したところです。

 あえてシューズクローゼット(玄関脇の土間収納)は設けず、玄関の両側に収納を

 設けました。

 向かって左が腰までの靴収納、右が床から天井までの壁面収納です。

 こうすることで、効率の良い収納計画が実現できました。




 
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 部屋の中央部に畳を埋め込んだ、15畳の広間スペースです。

 屋根の勾配に沿って天井を斜めにしているため、吹き抜け空間になっています。

 最初からソファを置かず、畳に座って寛ぐ暮らしを目的として設計しました。

 子育てを重視する家族にとっては、床座の暮らしが使いやすいのかもしれません。

 先に紹介した外観写真に見える大きな木の窓の内側には紙障子を設けて、拡散する

 光と断熱(カーテンに比べて数倍の断熱効果があります)の調節を図っています。




 
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 この家には、平屋建てなのに階段があります。

 それは、平屋建ての特性を活かした屋根裏を全てロフトにしたからです。




 
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 とても広いロフトスペースが実現できました。 

 床面積に算入されないぎりぎりの天井高さを確保した広さは、全部で15畳。

 広間と同じ大きさのロフトは、予備収納だけでなく子供の遊び場やご夫婦の趣味の

 スペースとして使われることでしょう。

 手摺で隔てた左側は広間空間と繋がっていて、コミュニケーションも問題ありません。




 ちなみにこの家には、廊下がありません。

 その代わりに、どこにいっても室温の変動がありません。

 その支えになっているのは、太陽熱 (水ではなく空気です) で床を暖める装置が組み

 こまれていることです。

 家全体を優しく包み込むような温熱環境は、生活のストレスを解消します。

 26坪の平屋建て小住宅は、小さくても豊かで大きな暮らしが可能になりました。

 これからも、設計の工夫で無駄のないコンパクトな家を実現していこうと思います!
 

 
 
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by mura-toku | 2015-01-16 11:41 | 建築

 住まい手の悩み!


 都心をはじめとした地価が高い場所では、中古住宅のリノベーションに人気が

 集まっているという話が聞かれるようになりました。

 数十年前に建てられた一戸建て住宅を購入し、自分たちの暮らしに合わせた

 改造をしようというものです。

 どこまで理想に近づけるのかは予算次第かと思われますが、それでも毎月の

 家賃と同額程度であれば、思い切って購入に踏み切るのもうなづけます。




 私が暮らす浜松では人口こそ80万人を超える政令指定都市ですが、面積が

 大きいせいか、まだまだマイホームは新築一戸建てが主流のようです。

 ただ、人生で恐らく一番大きな買い物の割には、結果として満足されていない

 住まい手が多く存在しているようで、そんな話をよく耳にします。

 理由はひとつではなく多岐にわたっていることは想像されますが、そのひとつ

 ひとつを解き明かし、住まい手の気持ちに近づくことが出来なければ、決して

 良いものは生まれません。




 住まい手が、直接事務所に訪問される理由は様々です。

 家の老朽化や耐震性に不安があったり、家の性能に問題があり夏暑く冬寒い

 暮らしを送っていたり、借りている家が狭くなってきたので一戸建てを考えたい

 などなど、皆さん沢山の悩みを抱えています。

 自社HPを見ればおおよそのことは把握できますが、逆にそれ以上のことを

 知りたいと思えば、実際に会って直接話をされるのが一番です。




 設計事務所は敷居が高いからと、遠慮されている方がいます。

 建築家は、住まい手のことをあまり考えずに自分の作品を勝手に造る人だと

 勘違いされている方がいます。

 自分たちの予算では実現不可能で、設計料が余分に掛かるから依頼できない

 と尻込みしている方がいます。

 そんな時、悩みを聞いて正しい方向性を示すのが、建築家の役割です。




 建築家は住まい手の代理人であり、全体を通しての調停者でもあります。

 プランをつくるだけではなく、全体予算の調整や法的チェック、工事が図面通りに

 正しく行われているかの現場チェックなど、仕事は広範囲に及びます。

 住まい手の考えを代弁しながら施工者に伝え、調整する仕事も含まれます。

 会って話をして実際の建築を見なければ、建築家の仕事を理解するのは

 難しいことかもしれません。

 少しでも興味をお持ちでしたら、気軽に訪問してみてください。(悩みをぶつけに)




 
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by mura-toku | 2014-12-25 11:46 | 建築

 “浜松・懐古庵” のオープンハウス前の案内の3回目です。





 
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 2階へ上がる階段のワンショット!

 階段を受ける右手の壁の厚さを最小限に抑え、階段巾を大きく確保しました。

 また、手摺の位置を視認させるために、先端部を半円形にくり抜いています。

 残念ながら画像だけではお伝えできないのが、その昇りやすさ!

 これは、ぜひオープンハウスで体感してみてください。






 そのオープンハウスは、7月5日(土)10:00~16:00に開催します。

 詳細については、弊社HPまたはJIA静岡HPをご覧ください。

 皆様のご参加をお待ちしています!     

 
 
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by mura-toku | 2014-07-03 10:47 | 建築

 “浜松・懐古庵” オープンハウス前の案内を続けたいと思います。

 前回は屋根と玄関について、その役割を説明しました。

 今回はガルバリウム鋼板という金属板について、お話ししましょう。





 
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 青空に向かってすくっと立ち上がる、ガルバリウム鋼板の外壁です。

 左官塗りの外壁に比べて耐水性や耐候性が高いため、このように屋根をほとんど

 出さないデザインに仕上げることが出来ます。





 
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 正面からみたところです。

 こちらの面も、ほとんど屋根を外壁から出していないのがお分かりでしょうか。

 一部木格子にしてある奥のスペースは、自転車や生活品を置くためのサービス

 空間で、勝手口も併設しています。

 上階の窪んでいるスペースは、インナーバルコニーとしての利用を考えました。





 
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 こちらが、そのスペースです。

 屋根で覆われているため、多少の雨なら降り込みません。

 日中は洗濯物干し場として使用されますが、夕方から夜にかけては椅子に腰かけて

 涼んだり、ビールを飲んだりが似合う場所ですね。

 また、これがこの家でちょうど良い場所にあるのですから・・・。

 それは、見てのお楽しみということで。





 このたび建主のご厚意により、7月5日(土)にオープンハウスを開催します。

 建築家が設計・監理を行い、地元天竜材や塗り壁をふんだんに用いた木の家が

 2000万円台前半で実現できました。

 詳細については、弊社HPまたはJIA静岡HPをご覧ください。

 皆様のご参加をお待ちしています!


 
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by mura-toku | 2014-06-30 18:30 | 建築

 “浜松・懐古庵” がほぼ完成し、現在はエクステリアを工事中です。

 来月にオープンハウスを行いますが、その前に少しご紹介しましょう。





 
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 メイン棟の屋根を見上げたところです。

 日射や雨のコントロールをするために、軒を深く出しています。

 雨が多いこの季節を乗り切るには、多少の雨降りの日でも窓を開けて

 風を通したいものです。

 窓の上の庇や深い屋根は、日本の気候には欠かせませんね。

 また夏の強い日差しを遮るためにも、これは重要なデザインです。





 
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 こちらは、玄関入口を見たところです。

 奥まった位置に玄関を設けてみました。

 理由は3つ!

 一つ目は、雨天時でも雨の影響を受けないためです。

 こうすれば、玄関前のスペースで傘を開いたり閉じたりするのが容易になります。

 二つ目は、木製の玄関建具を保護するためです。

 建具に直接光や雨が当たると、寿命が短くなることが考えられます。

 三つ目は、入る前の準備を整えるためです。

 それは来客にとって精神を落ち着かせたり、住人にとって鍵を取り出させたりする

 ときに、なにか包まれた安心感を得られることが出来るのではないでしょうか。





 ここで、オープンハウスのお知らせです。

 建主のご厚意により、7月5日(土) 10:00~16:00まで、この家を見学させて

 いただけることになりました。

 弊社HPに案内をUPしていますが、より詳しい内容は私が所属しているJIA静岡

 のHP (トップページの会員情報) をご覧ください。

 皆様のご参加をお待ちしています!



 
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by mura-toku | 2014-06-25 11:40 | 建築

 “浜松・懐古庵” が完成間近となりました。

 現在の状況をお伝えします。





 
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 1階茶の間の空間です。

 床座の暮らしを楽しむため、畳を敷き詰めました。

 そこには卓袱台を置いたり、布団を敷いたりと、可変性を持たせています。

 ソファや椅子を置くスペースだけ、床が傷まないようにフローリングを貼りました。

 壁は漆喰塗り、天井は杉の構造材を表しにしています。

 



 
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 正面のところをアップで見てみましょう。

 床は地元天竜産の杉フローリングで、丸太の中心に近い赤身を用いています。

 比較的杉は柔らかい材ですが、赤身の部分を選択することで傷やへこみなどに

 対応できるのでは、と考えました。

 障子は杉のフレームに手すき和紙を貼っています。

 和紙の良い点は、人工のものと比べて吸放湿性が高いことと、年月が経つにつれて

 より強くより白くなることです。

 障子を通して入ってくる自然の光は、室内を柔らかく包み込む印象になります。

 こうすることで、部屋の奥まで光を届かせることが出来るのです。





 
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 部屋の壁に取り付けたスポット照明です。

 シェードの材質は美濃焼で、全体の調子に合わせてみました。

 スポットの良いところは、手動で好きな場所に光を当てられることです。

 最近はLED電源なので光源が熱くならず、シェードを触っても大丈夫!

 それにランプ寿命が格段に延びたので、便利な時代になったものです。





 さて、この家ですが建主のご厚意により、7月5日(土)にオープンハウスを

 行うことになりました。

 詳細については近々HPでUPしますので、そちらをご覧ください。

 
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by mura-toku | 2014-06-20 17:46 | 建築

 “浜松・懐古庵” の大工工事が完了しました。

 外壁は板金が張りあがり、左官は下塗り・中塗りまで進んでいます。

 外観全体の様子がよく分かるようになってきました。

 
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 このタイミングで、外壁に塗る左官のサンプルを確認していきます。

 色合いや表情を見ながら、現場で説明をさせていただきました。

 板金仕上げとの対比がとても楽しみです。

 
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 室内に移って、今度は大工検査です。

 最終の仕上げに入る前に、建主立会いによるチェックを行いました。

 床の養生はまだ外せませんが、壁と天井の大工仕事を見て、確認をしていきます。

 出来上りの雰囲気を説明しながら、イメージを共有するのは大変な労力がかかります。

 
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 この家は、中2階があるのもポイントのひとつ。

 そこには何があるのか、それは見てのお楽しみにとっておきましょう。

 その中2階のレベルから2階を見通したところです。

 コンパクトな家ですが、視線が遠くへ運ばれることで狭さは感じさせません。

 
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 さあ、これから表情が日に日に変化していきます。

 どんな感じになっていくのか、また紹介していきたいと思います。

 





 
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by mura-toku | 2014-05-20 18:53 | 建築
 
 年度末から年度初めに掛けて、多忙な日々を過ごしていました。

 その理由はまたの機会に説明をさせていただくとして、今回は浜松市内で

 進行中の “浜松・懐古庵” の状況をご紹介します。






 
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 こちらは少し前に撮影した写真ですが、南側全景です。

 コンパクトな二つの立方体に、緩勾配の屋根を載せてみました。

 向かって右側は中二階ゾーンなので、一段低くなっています。






 
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 玄関のドアを開けると、この薄い壁が目に飛び込んできます。

 これは階段を支えるための構造を兼ねたものですが、極限まで薄くすることで

 階段の巾を大きく確保することが可能になりました。

 半円形にカットした部分は、完成してからのお楽しみです。






 
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 2階の一室です。

 壁・天井ともリーズナブルなラワン合板で仕上げてみました。

 昔からある材料ですが、大工の仕分け作業によって色合いが揃った深みのある

 美しい表情の部屋になったように思います。

 見方によっては、シックな趣で重厚感さえ漂っています。




 大工工事が終盤を迎えてきました。

 今後、仕上げ工事の模様をお伝えしていきたいと思います。




 
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by mura-toku | 2014-05-13 18:06 | 建築