平屋建て “浜松・寛帰庵” !
2015年 01月 16日
昨年完成した平屋建ての “浜松・寛帰庵” をご紹介します。
閑静な住宅地にひっそりと佇む立姿は、見るものを安心させます。
屋根は金属板、外壁は板張りと漆喰壁で特別な仕上げは施していません。
屋根面には太陽熱利用のための硝子が設置され、家全体を床暖房しています。
玄関前の屋根付きスペースです。
異常気象による風雨から身を守るため、スペースを囲っています。
一部木格子にしてあるのは、日射と視線のコントロールを行うためです。
ここは、自転車などが置ける多目的スペースとしての役割も果たしています。
玄関から広間を見通したところです。
あえてシューズクローゼット(玄関脇の土間収納)は設けず、玄関の両側に収納を
設けました。
向かって左が腰までの靴収納、右が床から天井までの壁面収納です。
こうすることで、効率の良い収納計画が実現できました。
部屋の中央部に畳を埋め込んだ、15畳の広間スペースです。
屋根の勾配に沿って天井を斜めにしているため、吹き抜け空間になっています。
最初からソファを置かず、畳に座って寛ぐ暮らしを目的として設計しました。
子育てを重視する家族にとっては、床座の暮らしが使いやすいのかもしれません。
先に紹介した外観写真に見える大きな木の窓の内側には紙障子を設けて、拡散する
光と断熱(カーテンに比べて数倍の断熱効果があります)の調節を図っています。
この家には、平屋建てなのに階段があります。
それは、平屋建ての特性を活かした屋根裏を全てロフトにしたからです。
とても広いロフトスペースが実現できました。
床面積に算入されないぎりぎりの天井高さを確保した広さは、全部で15畳。
広間と同じ大きさのロフトは、予備収納だけでなく子供の遊び場やご夫婦の趣味の
スペースとして使われることでしょう。
手摺で隔てた左側は広間空間と繋がっていて、コミュニケーションも問題ありません。
ちなみにこの家には、廊下がありません。
その代わりに、どこにいっても室温の変動がありません。
その支えになっているのは、太陽熱 (水ではなく空気です) で床を暖める装置が組み
こまれていることです。
家全体を優しく包み込むような温熱環境は、生活のストレスを解消します。
26坪の平屋建て小住宅は、小さくても豊かで大きな暮らしが可能になりました。
これからも、設計の工夫で無駄のないコンパクトな家を実現していこうと思います!
by mura-toku
| 2015-01-16 11:41
| 建築