この夏、おすすめの一冊!
2011年 07月 01日
本というものは、読み出すと止まらなくなってしまうから困ったものである。
物語が面白くなってくると、この先を知りたい一心で読み進めてしまうなんて
ことは、皆さんも経験されているのではないだろうか。
本当は寝る間も惜しんでと言いたいところだが、最近は夜になると文字がぼや
けてしまうのと睡魔に勝てないという理由で、恥ずかしいことに先に進めない。
その上私自身はかなり遅読の方なので、文庫本でも完読するまで1週間は
掛かってしまう。(私の主な読書タイムは早朝か就寝前と決まっている)
以前のブログで本城雅人氏のことを書かせてもらったが、私がこれからはまり
そうな作家がまたひとり現われた。
以前から気になっていた、百田尚樹(ひゃくたなおき)さんである。
ご存知の方もいるかもしれないが、TVで「探偵ナイトスクープ」を手掛けた
放送作家だ。
この『永遠の0』で2006年にデビューして以来、「ボックス!」「風の中のマリア」
「モンスター」、「影法師」などを発表し、読書界注目の存在として知られている。
太平洋戦争、零戦、神風特攻隊の過去を知る人物たちの証言によって、自分
たちの祖父である宮部久蔵という人物の生き様が明らかになっていく。
当時の日本社会は戦争をどのように捉えていたのか、自ら志願し戦地で戦った
若者の本心は、残された家族の胸のうちは、敵国アメリカの日本軍に対する
評価はどうであったのか、といったことが語られることで戦争と日本がよく理解
できるように仕上がっている。
と同時に、現代社会が抱える問題や戦争すら知らない世代に対して、主人公で
ある姉弟に向けて強烈なメッセージを送っていることも見逃せない。
ラストの場面では、久しぶりの感動に胸を震わした。
この衝撃を是非皆さんにも味わって欲しい1冊である。
by mura-toku
| 2011-07-01 09:53
| 趣味