長期優良住宅 『伎倍の森コミューン』 構造材検査!
2011年 06月 17日
先日、『伎倍の森コミューン・大屋根の家』 の構造材検査を行いました。
この家は、最近話題の〝長期優良住宅〟の認定を受けています。
この認定を受けるためには、75年以上の耐久性を満たしながら、省エネルギー性・
耐震性・維持管理の容易性をも、定められた基準以上のものにしなければなりません。
今回はこれに加えて、「地域資源活用型」 という産地証明がなされた国産材を、構造材
(柱・土台・梁・桁) の過半において使用する認定も受けたので、合わせて120万円の
補助をいただくことが出来ました。
手前に積まれているのが、地元天竜の桧材です。
龍山森林組合と産地証明がされた材で、材料試験 (1本ずつ強度や水分率を計測)
も済んでいるのですが、念のため水分計を使って調べてみました。
材に印字されているSD15はその%を示していますが、結果は12.8%と文句なし
の合格です。
向かって右側に高く積まれているの濃色の材が杉、左側の材は欧州赤松です。
今回はこの2種類の材を、梁や桁といった水平構造材に用いることにしました。
写真には写っていませんが、材の小口には天竜材を示す焼印がされています。
杉材は水分率は18.3%と、こちらも申し分の無い数値が確認できました。
こちらは、欧州赤松材の小口部分を見たところです。
写真を見ても分かるように、ラミナという厚さ3cmの材を貼り合せた集成材を一部
使用することにしています。
それは 《許容応力度計算》 と呼ばれる (通常、木造2階建ての場合はほとんど用い
ない計算方法) 精密な詳細構造計算を行っているため、一部に耐力が確保できる
欧州赤松の集成材が必要になったからなのでした。
杉材でも、先ほど示したように材料試験を受け、一定の強度が出たものについては
計算に掛けられるのですが、一般的には強度のばらつきやコストの問題で採用され
にくいのが現状です。
このように、集成材には工場出荷時に必ずラベルが貼られるので安心です。
写真には写っていませんが、ちなみに水分率は概ね1桁の%でした。
このように一部の材に外国産の集成材を用いても、全体の過半が国産材であれば
認定を受けることが可能になります。
これ以外にも浜松市や静岡県の補助制度がありますが、長期優良住宅との併用は
出来ませんのでご注意下さい。
次週は、いよいよ現場での構造材組み立てが始まります!
by mura-toku
| 2011-06-17 15:34
| 建築