エコな暮らし方!
2011年 06月 16日
今日は梅雨らしい天気で、朝から雨が降り続いています。
天気が優れないと、何となく気持ちがすっきりしませんね。
こういう時こそ、皆さんが毎日暮らしている住宅について考えてみたいと思います。
『浜松・素描庵』 の現場は、屋根工事の真っ只中。
非常に緩い角度の屋根を、ダークグレー色の金属板で葺いています。
正面には、施工者の(株)アトリオさんと幣所の看板が掲げられました。
アトリオさんに頼んで作ってもらった看板は、無垢の1枚板の特注品。
家が完成したら持ち帰ってしまいたいほど、素敵に出来上がっていました。
太陽の日射が入る角度を計算して決めた、1階の屋根の出と高さです。
ずいぶん深い軒内 (屋根下の屋外空間のこと) だと思われるかもしれませんが、
これひとつだけで随分と暮らし方が変わってくるんですね。
太陽の日射について夏は遮り冬は取り込むといった、当たり前のことが出来て
いないことに、皆さんはどれほどお気づきでしょうか?
屋根はただ掛かっていればいいという考えで、外壁から外へ大きく張り出している
昔の民家のような家は本当に見かけなくなってきました。
屋根を短くしたり見せなくしたりする方がデザインがいいとか、コストが抑えられる
ということをよく耳にしますが、住まい手は完成後の暮らし方について、しっかりと
造り手と議論し熟考しているのでしょうか?
最近はエコポイント制度の普及により、窓に高性能ペアガラス (Low-eガラス)
が設置されるケースが増えてきました。
しかしながら、これは窓を閉め切った状態、即ちエアコン等の機械設備に頼ることを
前提に性能を担保するというものなので、窓を開ける場合は何ら関係のないものです。
つまり、外界が暑い時に陽が当たっている窓を開ければ、いくら高性能のガラスで
も熱風が入ってくるわけで、これを防ぐには陽射しを遮る手法を考えるしかありません。
ここへきて急に注目されている〝緑のカーテン〟も、このひとつといえるでしょう。
先ほどの屋根下先端部を拡大して見たところです。
暑くなるであろう金属屋根の直下には空気の層を設けていて、その入口である先端部
には防鳥用の穴明きステンレス板を付けています。
この空気は2階の外壁上部から排出される仕掛けで、この家全体が空気層で覆われ
ているため、1年を通して外界の影響を受けにくい構造になっています。
『浜松・山東庵』 の夏の暮らしです。
節電が叫ばれている今年の夏に向けて、自然の風を取り込むエコな暮らし方を再度
考え直してみませんか?
by mura-toku
| 2011-06-16 15:34
| 建築