静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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 『浜松・憩庵』 の製作建具!


 皆さん、最近建てられてる一般住宅の室内建具 (部屋の入口や間仕切り戸、

 収納用の戸等) に、既製品が使われているのをご存知でしょうか?

 それらの多くが、建具 (通称、戸と呼んでいる) だけでなくそれを取り付ける

 枠とセットになっていて、あたかも木のような顔をしながら、実際は木目調の

 塩ビシートを貼り付けているツルピカの完成品として輝いています。

 これを容認されて選ばれているならよろしいのですが、逆にこれしか選択肢が

 ないと思われているとしたら、これは不幸以外の何者でもありません。



 
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 これは、建主がこれまで住まわれていた家で使われていた木製欄間です。

 あまりにも美しかったので、何とかこれを再利用できないかと思い、家を解体

 する前に大工棟梁にお願いして、丁寧に外してもらいました。

 新しい家の中に昔の記憶が残るのは、先祖代々から受け継がれてきている

 歴史そのものを刻んでいくことになるだろうと、考えたからです。

 これがどう料理されたのかは、実物をご覧になられた方が分かりやすいでしょう。



 
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 幣所では時間の許す限り、製作してもらう建具店へ出向いて、建具の打合せ

 を行っています。つまり、既製品の室内建具は1本も使用しません。

 理由は幾つかありますが、一番の問題は既製品は室内に溶け込みません。

 むしろ主張することが多く、質感・寸法とも幣所の設計には合わないからです。

 建具は毎日使い、人の手が触れるところですから、長い時間に耐えうる使い

 勝手のいい金物を、選定したいものだと思いませんか?

 写真手前の白い袋の中には、幣所から支給している金物が入っています。



 
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 以前購入していた、東京の金物店内を写したものです。

 事情があって1昨年前に閉店してしまいました。

 ここでしか手に入らない貴重な品や、お気に入りのものが数多く有ったので、

 閉店前に幣所で必用なものだけを取り揃えることにしました。



 
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 今回使用する金物のひとつをご紹介します。

 地金は真鍮、仕上げはウルミ漆、横長のプロポーションの珍品です。

 この仕上げが出来る職人は既に他界しているので、現代では再現が難しいと

 店の主人から聞いたことがあります。

 大事なことはデザインではなく、飽きがこなくて手触りがよく、使いこなすほどに

 愛着が湧くものではないかと思うのですが・・・。



 『浜松・憩庵』 は、4月29日(金・祝)にオープンハウスを開催します。

 詳細については、幣所HPをご覧下さい!
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by mura-toku | 2011-04-20 17:33 | 建築