静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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 さりげなくつくる!


 これまでは家をつくるとき、その地域の大工棟梁によって受け継がれてきたルールに沿って、

 数多くのものが建てられてきました。

 それは、建主が考えた間取りを棟梁が板の上に墨で描いた板図に纏めただけで、ひとつの

 家の青写真がすべて凝縮されているという、素晴らしい大工術によるものでした。

 時代が変わっても、この考え方を今でも基本にして建てているケースは少なくありません。

 その典型的なものが、畳敷きの部屋に見てとれます。



 
b0111173_17402515.jpg


 この家は幣所で設計した 「浜松・風光庭」 ですが、これはその大工術に沿って建てていない

 事例です。比較対象になる写真がないのが残念ですが、興味のある方は我が家のものと

 見比べてみていただけたらと思います。


 この部屋の特徴は多々ありますので、少し解説します。

 ◎ 部屋を広く感じさせたいため、襖や障子の上は開放にする
    ( 通常の場合、壁をつくるか欄間などを嵌め込むが、少し窮屈に感じる )

 ◎ 建具の上にある鴨居と長押を一体にし、その上は柱を見せない
    ( こうすることで、さほど天井が高くなくても圧迫感を感じない )

 ◎ 昼間は必用がない照明は、天井に埋め込んで存在感を消す
    ( 夜間に必用なのは適度な明かりであって、豪華な照明器具ではない )

 ◎ 床の間も部屋の延長として考え、床柱や地板を目立たせない
    ( 一般的には、床柱は手前に立ち地板は一段上げて立派に仕上げるが、
     せっかくの部屋が狭く感じてしまう )


 少し専門的な解説になりましたが、こうした〝さりげなくつくる〟ことが設計者に課せられた

 使命なのではないでしょうか。
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by mura-toku | 2010-08-21 18:13 | 建築