静岡県浜松市にある村松篤設計事務所の所長のブログです


by mura-toku
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 しばらく、ブログの更新をする間もなく、毎日仕事に追われる日々を送っていました。
 HPの作品集で紹介しているように、ここ数年は事務所やこども園の設計を手掛けていました。
 これらの仕事の多くは補助金を受ける関係から、スケジュール厳守で進めなければなりません。
 読者の中には楽しみにされていた方もいらっしゃるかと思いますが、ようやく落ち着いて書く
 環境が整ってきましたので、今日から少しづつ遅れを取り戻していきたいと考えています。
 どうぞよろしくお願いします。

 というわけで、前回の続き ❝京都・侘楽庵❞ の完成写真をご紹介いたしましょう。

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 西側の外観を見上げたカットです。京都ならではの条例で色の規制(単色だけではなく、ツートンの
 ケースでは色のコントラストも規制あり)を守りながら、配色を決めました。
 街並みに溶け込む土壁風の仕上りになっています。

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 道路に面した全景です。私が訪問した2015年の4月は、ちょうど外構と植栽の工事中でした。
 先ほど紹介しました京都の条例で、もうひとつデザイン上の制約があるのは、必ず下屋(1階
 から2階まで外壁をのっぺりと続けるのはNGで、1階部分に付ける屋根あるいは庇のこと)を
 設けなければならないことにあります。これには、正直苦労しました。

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 建主の奥様がお茶をされていることから、設計に組み込んだ8畳の茶室。畳の一部に炉を切り、
 天井には釣釜用の金具を設置しました。あえて柱を見せず、塗り壁を連続させることでシンプル
 なデザインを心掛けています。

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 正面の障子を開けると、庭の緑が目に飛び込んできます。
 といっても、これはお向かいの庭を借景としていただいたもの。
 初めて敷地を見に行った時に記憶にとどめ、設計に活かすことを常に考えています。


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 前回のブログで紹介した「椿の曲り」の床柱が、このように納まりました。直線で構成された部屋の
 一部に自然なラインが入るだけで、空間が和らぎます。床の間の壁は聚楽塗で、空間を引き締める
 ことを考えました。間接照明が陰翳をつくり出し、部屋に奥行きを与えてくれています。

 今回の紹介はここまで。次回は、この続きをお約束します。
 これからも、よろしくお付き合いください!



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# by mura-toku | 2018-01-12 11:34 | 建築

 "京都・侘楽庵" の茶室に用いる床柱選定のために訪れた老舗銘木店。

 工事に携わっている工務店社長の紹介ではあるが、恐る恐る店先へ。

 
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 如何にも老舗といった構えに一同、緊張感が漂う。

 建主ご家族と工務店社長を含め、皆の顔が引きつっているのがよく分かる。

 それもそのはず、この世界は一流寿司店に行って好みのものを注文し、後で

 お勘定という流れにやや似たものがあるからだ。

 店主に図面を見せ、設計意図を説明してから見繕っていただいたものがこちら。




 
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 一目見て、やはり老舗の店主は違う!

 樹種の豊富さはさることながら、こちらの意図を汲み取った選定には脱帽である。

 この段階で何がいいか、皆さんの意見を伺おうと思っていたのだが、まずは私の

 考えを聞きたいという。

 「私はもう決まっています。これしかありません。」 と述べた後、指をさした。




 
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 そうしたら間髪入れずに建主の奥様が、「私もそれが良い!」 と。

 息が合うというか、好みが一緒というのは何とも気持ちが良い。

 一応、数本の候補を絞っていき、最終的に "椿の曲り" に決定した。

  この柱は、私が当初描いていたものに一番近いものだったのだが、恐らく店主は私たち

 (というか私の眼力) を試したかったのだろうと、想像してしまった。

 (ちなみに、予想に反して大変お買い得な品物だった)




 久しぶりの真剣勝負に、心地いい疲労を感じた。

 今の時代に、こんな幸せな仕事をさせていただいた建主並びに工務店には、ただただ

 感謝の気持ちを申し上げたい。

 無味乾燥な社会だからこそ、直接顔を合わせて物を見る大切さを改めて学んだ気がする。

 次回は、完成の姿を紹介したいと思う。



 
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# by mura-toku | 2015-04-27 10:51 | 建築

 先日、工事中の現場 “京都・侘楽庵” へ行ってきました。

 雪が時折ちらつき、現場は相当冷え切っていましたが、そんな中でも工事は

 着々と進んでいて一安心。

 家の骨格が現場シート越しに現れている姿を見て、さらに安心しました。




 
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 京都は、あらゆる地域で条例が定められていて、屋根の角度や寸法・外装材の

 仕上げや色合い等々を守らなければ許可が下りません。

 今回は、そうした決まりをクリアしながら美しく表現できるかが課題でした。




 
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 1階の畳の間 (8畳の茶室) の進捗状況です。
 
 断熱材が壁・天井に充填され、構造上必要な耐力壁として合板が張られていました。

 左側の窓に向かって緩やかにカーブを描く天井ラインの正確な位置を決めるのも、

 監理者として大切な仕事のひとつ!

 図面と照合しながら、現場の板材を 「こんな感じで曲げて」 と指示を出しました。




 
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 これは、2階の畳の間 (4畳半の寝室) の状況です。

 傘を広げた感じに見えることから、傘天井といいます。

 中央に向かって天井が高くなることで、通常の部屋よりも広く感じられました。

 これからの仕上がりが、とても楽しみです!




 今春の完成に向けて、現場は動いています。

 次回は、この家にも納入される銘木 (床柱などの特別な建築材) について、

 ご紹介いたしましょう!
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# by mura-toku | 2015-03-09 17:10 | 建築

 
 
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 昨年完成した平屋建ての “浜松・寛帰庵” をご紹介します。

 閑静な住宅地にひっそりと佇む立姿は、見るものを安心させます。

 屋根は金属板、外壁は板張りと漆喰壁で特別な仕上げは施していません。

 屋根面には太陽熱利用のための硝子が設置され、家全体を床暖房しています。




 
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 玄関前の屋根付きスペースです。

 異常気象による風雨から身を守るため、スペースを囲っています。

 一部木格子にしてあるのは、日射と視線のコントロールを行うためです。

 ここは、自転車などが置ける多目的スペースとしての役割も果たしています。




 
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 玄関から広間を見通したところです。

 あえてシューズクローゼット(玄関脇の土間収納)は設けず、玄関の両側に収納を

 設けました。

 向かって左が腰までの靴収納、右が床から天井までの壁面収納です。

 こうすることで、効率の良い収納計画が実現できました。




 
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 部屋の中央部に畳を埋め込んだ、15畳の広間スペースです。

 屋根の勾配に沿って天井を斜めにしているため、吹き抜け空間になっています。

 最初からソファを置かず、畳に座って寛ぐ暮らしを目的として設計しました。

 子育てを重視する家族にとっては、床座の暮らしが使いやすいのかもしれません。

 先に紹介した外観写真に見える大きな木の窓の内側には紙障子を設けて、拡散する

 光と断熱(カーテンに比べて数倍の断熱効果があります)の調節を図っています。




 
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 この家には、平屋建てなのに階段があります。

 それは、平屋建ての特性を活かした屋根裏を全てロフトにしたからです。




 
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 とても広いロフトスペースが実現できました。 

 床面積に算入されないぎりぎりの天井高さを確保した広さは、全部で15畳。

 広間と同じ大きさのロフトは、予備収納だけでなく子供の遊び場やご夫婦の趣味の

 スペースとして使われることでしょう。

 手摺で隔てた左側は広間空間と繋がっていて、コミュニケーションも問題ありません。




 ちなみにこの家には、廊下がありません。

 その代わりに、どこにいっても室温の変動がありません。

 その支えになっているのは、太陽熱 (水ではなく空気です) で床を暖める装置が組み

 こまれていることです。

 家全体を優しく包み込むような温熱環境は、生活のストレスを解消します。

 26坪の平屋建て小住宅は、小さくても豊かで大きな暮らしが可能になりました。

 これからも、設計の工夫で無駄のないコンパクトな家を実現していこうと思います!
 

 
 
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# by mura-toku | 2015-01-16 11:41 | 建築

 2015年の抱負!



 みなさま、新年あけましておめでとうございます!

 お正月はいかがお過ごしでしたか。

 私が住む浜松ではは初日の出が難しい予報が出されていましたが、

 奇跡的に雲の合間から素晴らしい顔を覗かせてくれました。

 思わず家族揃って両手を合わせ、今年の無事を祈願!

 穏やかな元日かと思いきや、曇天から雪が舞う天候に・・・。

 早くも今季2度目の雪に、浜松人は驚いたのではないでしょうか?




 今年は、これまでの固定観念にとらわれない思考が導き出せるよう

 感性を磨きたいと思っています。

 建築だけではなく、音楽や美術、車やファッション、映画や舞台、

 グルメや町歩きなどなど、垣根を越えて貪欲に動く考えです。

 そのためには、積極的に外へ出て吸収する必要があります。

 多くの刺激を受け止め、時流を見つめながら、自分の可能性を引き

 上げることが出来るように、努力を続けていく覚悟の一年です。




 最近、本業の建築設計以外の活動が増えてきました。

 ひとつは、昨年からJIAという(公社)日本建築家協会の静岡地域会長を

 務めることになったことです。

 これをきっかけに東海地域をはじめ全国の建築家と交流を深めています。

 また、この活動を通して行政や市民とのつながりを目的に、様々なイベントを

 県内各地で開催してきました。今年も魅力ある企画を検討中です。

 もうひとつは、工務店や建築関係者を対象にした設計勉強会です。

 対象者によって内容は異なりますが、具体的に知りたいことや学びたいこと

 にテーマを絞って、マンツーマンで行っています。

 基本的には机上でのものですが、時には外へ出て建築視察を実施しています。

 何と言っても、建築は実際訪れて体感するのが一番の勉強ですから・・・。




 というわけで、今年も忙しい一年になりそうです。

 天に向かって伸びていく竹を授かっている私としては、名前に恥じぬよう一層の

 精進をここに誓いたいと思います。今年も、どうぞよろしくお願いします!




 
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# by mura-toku | 2015-01-05 11:44 | 季節